もうすぐ完成の家。

何人もの職人さんたちが手をかけたことだろう。
手慣れた毎日のこととは言え、
要望に時に悩みながらもそれをやり終えて笑顔する職人さんたち。
そんな家づくりの50年後の現場の風景はどうなってるんだべ?
ふと、そんなことが頭をよぎってしまった。
今日は休日なれどやり残していたてんこ盛りの宿題をやる補習日となった。
日本語なら解説もあるが、解説部なしでの製品を分解していく作業。
一つ目の共通項を一つの数字から見つけた時はほっとする。
そして二つ目、三つ目と共通項を見つけると勢いづくもので、
半分が見えてくると一気に全体像に迫る。
まったく見えなかったものが見えた瞬間の達成感、
これは知恵の輪を解いたときのような感覚に近い。
そんな作業のあと一息ついた時、
何がおれって、、、
世の中とは逆のことしてんでねえべが。。
てなことを思ってしまった。
今、業界は職人不足、とりわけ大工不足は目の前に迫る。

S大工さんももう70になろうとしているが未だ現役。
最近、同じように仕事をする仲間と会うと、
業界は10年経ったら、20年経ったらどうなるんだ?
家を建てる人は年々減ってくのだろうけど、
それより大工さんが減っていく方がずっと早いよ。
という話に行きつく。
この問題に対する対応策として業界では、
①プレカット工場に大工工程を委ねる。
②大工行程の一部をプレ加工できる工場に委ねる。
みたいな方向にあるという。
現場に大工さんが居なくなるどころか、
大工さんが不要になる方へと向かっているらしい。
工務店は現場工程をもし丸っと全部外注できたら工期も短く悩むこともなくなる。
そりゃいいことだよね、と言いたくなる。
それは理想かもしれない。
で、ここで考えてしまう。
工務店の仕事はその先何になるのだろうか。
「つくる」を、そしてそれを「考える」も他に委ね、
あと工務店の役割ってなんだろう?と。
ユーザーは直接、プレカット工場に注文すればいいんじゃない?って。
今日の私はそれとは逆に、社内で「つくる」領域を増やす作業になっている。
世の動きに逆行するような今日の仕事。
当社社員の約半数は職人である。
それがもっと範囲が増えることになる可能性は高い。
昔この業界に入った時のこと、
畑の野菜に手をかける農家のお父さんとの会話。
お兄ちゃんはすごど何すてんの?
家つぐってます。
家つぐってるって、おめさんは大工さんすか?
いやつがうども家つぐってる会社で稼いでるのす。
だらなにす?大工でねえんだべぇ。
にいさんだづぁ、大工のうわまえはねでるだげだべ。
「つくる」ってのぁ、手ばかげっこどだべ。
この野菜だっておんなずだ。
どうやって育でっか考えで手をかげっことさ。
それもやんねんだばただのブローカーだな。
・・・・・
ブローカー?、おれが!?
この時の怒りはしばらく収まらなかったのだが・・・
その後「つくる」ってことがずっと頭を離れないまま今に至っている。
考え方が古いのかもしれない。
問題を解決するにはいろんな手法や考え方があって当たり前。
ただ、つくるっていう思いは手をかける者だけが知る領域があるはず。
見えないものだけど、
つくることを忘れない工務店でありたい。
岩手のハウスメーカーなら。
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