スマホ内の画像を探していたら目的外の懐かしい画像が目に入ったので今日はそのネタを(笑
普段標準的に採用頂いている室内壁の漆喰委仕上げは、仕上がりの風合いと共に、住宅内湿度を平準化してくれる調湿機能、そして実生活で実感しやすい消臭機能についてお伝えすることはあっても中々蓄熱性について伝えられることがないと思うので、今日はそんなことをお伝えしようと思います。
住宅内漆喰仕上げの省エネ性
当社の漆喰仕上げは省エネ計算上でも組み入れられる蓄熱容量を持っています。

住宅内の塗り壁仕上げ=蓄熱性 ではない。
塗壁仕上げ目的は、仕上げの風合い目的のものが多く、その場合仕上げ厚さが薄くても仕上げできるのですが、そうだとすると蓄熱性は望めません。蓄熱性は素材にもいりますが、仕上げ面積×厚さが重要になります。
岩手の高断熱住宅の省エネ性を高める潜蓄熱材の可能性
もう10年数年前になります。アメリカで開催される建材見本市に行った時のこと。
植物(大豆)を主原料とする潜蓄熱材なるものに出会います。
潜蓄熱材に最初注目したのは30年程前で、当時は温水床暖房の蓄熱層として採用し、窓からの日射熱を直接蓄熱する(ダイレクトゲイン)の蓄熱層としても期待してのことでした。
当時使った潜蓄熱材はそれなりに高価なもので簡単には使えない代物でした。その後健康住宅に関する知識が高くなったこともあり、できるだけ化学的なものは避けておきたいと思うようになっていたところに、この出会いとなったわけです。
大豆が主原料の潜蓄熱材
この時は即決で注文しましたね。
テストしたいので取りあえず少量で。
そのテスト後の結果が良かったら、注文するので。ということにして。
確か3ケースではなかったかと。飛行機便で送ってもらいました。
届いた潜蓄熱材を実験棟の壁に張ったものが以下の写真です。
ぽつぼつと凸している部分がカプセル状で封じ込められた潜蓄熱材でその間の凹部分に空気が流れるという仕組みとして考えられた形状とのこと。本来なら壁・展示場に伏せ込まれるのですが、とりあえず潜蓄熱性能を確認できればいいのでそのまま現しにしてテストしました。
写真にコンクリートブロックがありますよね。この写真はかなりテスト後半戦のものですね。
初期は潜蓄熱材のみで、設定された融点温度でどれだけの時間を引っ張れるか、2重に増やしてみたらそのまま比例するのかとかやってみたりして、コンクリートブロックを漆喰壁仕上げ相当に見立ててプラス試みたのは終盤でしたので。
結果、潜蓄熱性能はそれなりに見えたのですが、期待したほどではなかったということ。これなら漆喰の仕上げを厚くした方が良さそうと。
そしてそれでもその後邪魔になるものでもないので数年使っていたかな。
するとある時・・ カプセル部が破れている部分があることに気付いたのですよ。
本来なら壁・天井の中にあるものが露出しているわけだから紫外線の影響があるのかもしれない。けれど、それほど耐久性はないのかもしれない。それに溶出しているものを観て、
大豆が主原料と言っても・・他の成分はなんなのだろうと思えてしまう色合いで・・
やはり新しい技術とか素材ってしばらくは様子をみないと怖いよね。
ということで私の中では消えていった多くのものの一つかな(笑
こうなると、
歴史ある素材でいいのだ。
そう、このまま漆喰で行くのが一番なのよ。
蓄冷熱量は塗り厚で調整すればいいのだから。
となったわけです。
新素材、新建材、高機能、いろいろ新製品が出ては消えるのは世の常ではあるけれど・・・
私の場合、仕事としての試験だから衝動買いでも許されるけど、新築の家に実際に使うのは立ち止まってみる必要はあるかもしれませんね。
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