2018年、ライブドアからワードプレスに自動移植したこのブログはその以前の記事は見辛い読み辛い。そこで改めて当時のおまとめ版として紹介していこうかと(笑
東欧チェコの独創的な家たち
子どもの頃はチェコスロバキアとして国名は知ってはいたのですが、私が初めて訪れた2010年にはスロバキアと独立してチェコに。この時の訪問目的の前半は木製サッシの打合せと漆喰材の調査ですが合わせて住宅地視察は必須ですからね。その時視界に入った私が惹かれた住宅などを紹介したいと思います。
ザ・大屋根の家
これぞ大屋根の正統派!と言える住宅ではないかと。
場所はプラハから少し離れた郊外に屋根だけ見える家が視界に入った時、頭で理解するのにしばらくかかってしまった家。
段差があり、擁壁の陰に1階があるのではないか。よく観ても手前地面と住宅は接しているからそうでないことがわかる、結果、これは敢えてこのデザインを狙ったのだと。
屋根は、傾斜(10寸勾配)の急な三角形の屋根が特徴的で、赤茶色の瓦で覆われていて、そこに伸びるレンガ造りの煙突が印象的に映ります。暖房は薪なのでしょうね。
外壁は白色で仕上げられていて経年美を感じさせてくれます。 三角形の正面には黒い横木が装飾的に施されているのもワンポイントになっています。
窓が前面には三つの窓がシンメトリに並んでおり、枠は木製で濃い茶色に塗られている。 各窓には格子状のデザインも施されています。
家の前にはワイヤーメッシュのフェンスが設置されているのでそこが敷地境界でしょうね。庭にはいくつかの木や植物が植えられているようですが、雪に覆われているので庭の雰囲気はよくわかりません。ですが、現地の方に言わせると一年中で6月が一番きれいなんだそうです。そんなタイミングで一度は観てみたいものです。
この家のデザインは伝統的なチェコの建築スタイルを反映しながらも、この意表を突いたデザイン発想に脱帽ですね。
シンメトリな大屋根デザインの屋根活用の参考にしたい東欧チェコの家
屋根は先ほどよりは緩い傾斜(6寸勾配位)での三角形の屋根が特徴的で、左側にがレージ、右側に玄関ポーチをシンメトリになるようデザインされています。屋根の縁(破風)は赤茶色に塗装された木材で仕上げ。左側には白い煙突があり大屋根に煙突がよく似合うのがわかります。
外壁はクリーム色で、シンプルかつモダンな印象を与えていて、前面にはコンビネーションの6連窓デザインされた大きな窓があり、下の窓は太めの横格子を誂えたデザインです。 窓枠は木製で濃い茶色に塗られています。上部には小さな三角形の窓もあり、吹き抜け上部からの採光を確保しているのでしょうね。
この家はモダンなデザイン要素を取り入れつつ、チェコの寒冷な気候に対応した伝統的な建築様式も感じられ、この家の大屋根デザインは日本においても特にチェコと同じように積雪のある岩手でもぜひ参考にしたいデザインではないかと思います。
現代的でありながら重厚感あるデザインの家
プラハ郊外の住宅地で、この家、かっこいいなと思わされた家です。
この家は現代的なデザインを取り入れており、シンプルかつ洗練された印象を与えます。その中でこのバルコニー部分のデザインセンスは秀逸です。
外壁はクリーム色で、クリーンで明るい印象を持たせながら、バルコニー部分で重厚感を持たせています。
2階にはガラスの屋根が付いたバルコニー。 屋根は透明なガラス製で、木製の太い垂木と金属製のフレームで支えられています。バルコニーの手すりにはタイル(石風?)を縦張りに縁取りギザギザな上部仕上げは実に印象的。その内側に植物が植えられており、タイルの縁取りと併せて自然を感じさせるデザインです。
だからか、逆に窓はシンプルなデザインで、木製の枠が使われていて、そこで家全体の調和が保たれているように感じます。
ガラスの屋根が特徴的で、モダンな雰囲気を強調しながら採光の障害にならない屋根としているところはさすがだと思います。
この家はモダンで洗練されたデザインが特徴でありながら、自然素材を取り入れることで暖かみも感じられる佇まいです。シンプルなラインと素材の組み合わせが、美しい外観を作り出しているのが凄いです。
これまでを振り返ってみても、こういう家との出会いは私には最も貴重なもののひとつと言えるかもしれません。
チェコで惹かれたかわいい小さな家
プラハ城下の路地にあったカワイイ家、道路面は小さなお店になっていますが、これは小さいけれど配色などの参考にしたいと思ったも家になります。
家全体が小さく、コンパクトで可愛らしいサイズ。外壁は淡い青色で、時間の経過と共に少し色あせたような風合いが魅力的で、壁には木枠の窓があり、外壁とのコントラストが美しいですね。
屋根は赤茶色の瓦で覆われており、クラシックなデザインが特徴で、屋根の中央には小さなドーマーウィンドウがあり、その上には緑色の装飾的な塔がついているのもさり気ないデザインポイントかと。
入口にはシンプルで重厚さのある青いドアがあり、開放的で親しみやすい雰囲気を醸し出しています。入口の両側には植木鉢が置かれ、それを囲む青いフェンスで奥行を感じさせるアクセントとなっています。
窓は木製のフレームで囲まれ、ガラス越しに室内の温かい光が見えていて、窓のディスプレイには工芸品や装飾品が飾られており、店としての雰囲気も素敵ですよね。
隣接する建物も注視してみてください。
歴史的な外観を持ち、統一感のある街並みを形成しています。左隣の建物には木材と漆喰の壁があり、壁は何回塗り重ねられたのどろう?と想像するに十分な厚みで盛り上がっています。今のプラハ城が再建されたのが250年前であることから推し量るにおそらく築200年前後にはなるではないでしょうか。これが伝統的なチェコの建築様式なのでしょうね。
この家は、歴史を感じさせるデザインと細部にわたる装飾が特徴で、まるで絵本の中から出てきたようなかわいらしい雰囲気を持っています。経年美が漂い、訪れる人々に温かみとノスタルジーを感じさせる魅力的な住まいでした。
このように今回のチェコに限らず、どんな国、特に歴史ある伝統様式を保っている国の市街地、住宅地は私にとっては宝の山です。デザインでもポイント的な納まりや素材使いまでそれらすべてが学びになりますからね。これから家づくりを考える方は、観方を変えるだけでこれら写真一つから自分にとって重要な新たなヒントを見つけられるかもしれません。
問いが変われば観方が変わる、
観方が変われば違うものが見え行動が変わる、
行動が変われば結果が変わるのですから。
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