9月の岩手で32.5℃表示を観ながら経年の性能劣化を思う

家人実家の草刈りを予定していたものの、あまりの外の熱気に諦めたへたれな今日。

9月だぜ、おい、温度どうなってるの?

てことで計測中の当社住宅展示場の温度を確認すると、

9-11の住宅の内外温度と断熱層内温湿度の画像

13時時点で32.5℃って・・こりゃ無理だべな。。
来週でも良いのに、9月にわざわざ32℃の中汗かきたくないと思ってしまったわけです。

これが8月だったらしょうがないと諦め突撃したでしょうけど・・
天気予報では今週末まで30℃、来週からどんどん下がりそうなので来週狙いにしようかと(笑

そこで時間ができたので、これから気温がどんどん下がるのは良いけど、住宅の断熱性能は経年でどれくらい低下するものなのだろうか。と思ったものだからぺっこAIさんに訊いてみました。

高気密・高断熱性能の経年劣化

残念ながら、この分野の長期的な実測データは限られています。しかし、いくつかの研究や報告から、以下のような傾向が見られるとのこと。

1. 住宅の気密性能

適切に施工された高気密住宅では、気密性能の低下は比較的小さいと考えられています。日本建築学会の研究では、築10年程度の住宅でC値(隙間相当面積)の増加は0.1〜0.2 cm²/m²程度とされています。

私見:単純に、経年での劣化が比例するとしたら、築20年で0.2~0.4低下。一般的な感覚だと20年以降は低下が早まりそうなイメージなんだけど・・だとしたら0.4~0.8cm²/m²程度で観てた方が無難かも。
その他、もちろん地震の揺れによる影響もありそうです。

2. 住宅の断熱性能

断熱材の種類によって劣化の程度が異なります。

・グラスウールやロックウール: 10年で5〜10%程度の熱伝導率の上昇が報告されています。
・押出法ポリスチレンフォーム: 25年で約7%の断熱性能低下という報告があります。
・ウレタンフォーム: 初期の数年で若干の性能低下が見られますが、その後は比較的安定します。

ただし、これらの数値は一般的な傾向であり、実際の性能低下は建物の構造、使用材料、施工品質、環境条件などによって大きく異なる可能性があります。

また、気密・断熱性能の維持には適切なメンテナンスが重要です。シーリングの劣化や設備貫通部からの空気漏れなどに注意が必要です。

と、ここで回答が終わったので改めて当社が断熱のメインとしているフェノールフォームについて訊いてみました。

3.フェノールフォームの劣化の程度は

フェノールフォームの主な特徴

・耐久性:フェノールフォームは化学的に安定しており、長期的な断熱性能の維持が期待できます。
・断熱性能の保持: 適切に施工された場合、フェノールフォームの断熱性能は長期間にわたってほぼ初期性能を維持するとされています。
寸法安定性: 温度や湿度の変化に対する寸法安定性が高く、これにより長期的な性能維持に寄与します。
吸水性: フェノールフォームは閉気泡構造を持つため、吸水性が低く、湿気による性能低下のリスクが比較的小さいです。

私見:良いことばかりに聴こえますが、実際の経験上から他の断熱材より取り扱いには注意が必要ではないかと。

フェノールフォームの経年劣化は?

具体的な数値としては、一部のメーカーデータや研究報告から以下のような情報が得られています:

・25年経過後も初期性能の95%以上を維持するという報告があります。
 私見:維持するという報告があるとしたら、維持しなかったという報告はどうなのだろう?

・50年後の断熱性能予測で、初期値の90%以上を保持するという試算もあります。
 私見:50年後の予測値で90%以上なら、50年後80%だとしても良さげに思える。

ついでなので、窓の断熱性能劣化についても訊いてみました。

窓の断熱性能の経年低下

窓の断熱性能は、時間とともに様々な要因により低下する可能性があります。主な要素ごとの経年変化はまとめると以下の通りです

ガラススペーサー

ガラススペーサーの材質による違い
アルミスペーサー:熱伝導率が高く、初期の断熱性能は低いが、経年変化は比較的少ない。
樹脂スペーサー:初期性能は高いが、紫外線や温度変化により劣化する可能性がある。

私見:確かに紫外線・温度変化によるリスクは頭に置いとかないと。

ガラススペーサーの経年変化
シール材の劣化により、10〜15年程度で気密性が低下し始める可能性がある。
正確な低下率は環境条件に大きく依存するため、一般化は困難。

私見:あと5年くらいもしたらガス充てん率などチェックできる機能を持つ必要があるかもしれない。

ペアガラス・トリプルガラス

気密性の低下
・シール材の劣化により、年間0.5〜1%程度のガス漏れが生じる可能性がある。
・20年程度で初期充填量の80〜90%程度まで低下する例も報告されている。

ガラス自体の劣化
・適切に製造・施工されたガラスの光学的特性の変化は極めて小さい。
・Low-Eコーティングの劣化も通常の使用では無視できるレベル。

アルゴンガス等の充填ガス

ガス漏れ
・年間0.5〜1%程度の漏れが一般的とされる。
・20年後に初期充填量の90%程度を維持できれば良好とされる。

性能への影響
アルゴンガスが50%失われた場合、熱貫流率は約0.1〜0.2 W/(m²·K)増加するとの報告がある。

サッシ(フレーム)

材質による違い
・アルミサッシ:腐食や変形が少なく、気密性の低下は比較的小さい。
・樹脂サッシ:初期性能は高いが、紫外線や温度変化により劣化する可能性がある。

気密性の低下
・ガスケットや気密パッキンの劣化により、10年程度で気密性が低下し始める可能性がある。

私見:10年以上20年以内に気密試験を行う必要があるとして、ガスケット等の劣化判断方法を探る必要があでてくるはず。

窓の総合的な性能低下

一般的に、適切に施工・維持管理された高性能窓では、20年程度で熱貫流率が0.1〜0.3 W/(m²·K)程度増加するとされる。ただし、この値は環境条件や使用状況、メンテナンス状態によって大きく異なる。

注意:これらの数値は一般的な傾向を示すものであり、実際の性能低下は個々の製品や使用環境によって異なります。定期的な点検とメンテナンスが重要です。

私見:定期的な点検とメンテナンス・・ この点日本には情報が乏しいので、これはドイツ辺りから学んでおくしかなさそうな気がする。

 

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