新たな高耐久住宅のためのカラクリ窓のしくみ

アメリカの家的な窓枠とケーシングの画像

私の家は30年ほど前の新築時なら、カナダのトリプルガラスで外側アルミの内側木製サッシ(2Low-Eアルゴンガス)当時知り得る最高峰を。断熱は2×6にウレタン充填+35mmウレタン外張り(カナダ)、基礎断熱はカナダ製の断熱型枠で内外55mm計110mmというもの。

これはこれで、チャレンジした外張り断熱は性能的には良かったのですが・・それが後に仇に。
建築時には既に、これは施主さんには勧められない!と判断できましたので犠牲者は私一人。それは良かったかと(笑

そして、6年前の外張り断熱改修。
既存の外張り35mmウレタン断熱を廃棄、新たにフェノールフォーム100mmを外張り施工。勿体ないのでサッシはそのままでも良いかな?とも思いましたが、スタッフから

 親方が当社売りのサッシを体感出来てないってのはどうなんですかね?

なんて言うものだから(笑
トリプルガラスからドイツ樹脂トリプルガラスへと交換することにしたのです。

 それならば・・・
 何かチャレンジできることがあるんじゃないかなあ?
 特に窓周りで・・

てことで、窓周りで疑問だったこと、課題だったこと、一つずつ試してみることに。

その一つが、

窓下水切りは何センチの出幅までが適切か

この結果は過ぎたるは及ばざるが如し!という結果に(笑

もう一つが、

窓下水切りとサッシの取り合いでのコーキング無しでの防水性

これはずっと疑問に思っていたことだし、外部からコーキングを無くのは悲願みたいなテーマでしたからね。そこでコーキング無しでの施工を試みることにしたわけです。日本ではコーキングで防水するのが王道ですので、その施工無しでやるならどうするか、

➀サッシ交換可能な取付位置:

 将来あり得るサッシ交換の容易性は担保したいのでぎりぎりの位置での取り付け

この位置なら通常の雨なら漏水はしないだろうけれど、台風や暴風雨ならどうだろう?
風圧・・圧・・こればかりはわからない。
この施工で漏水してダメだったとしても、コーキングは後追いで施工はいつでもできるけど・・

目視確認したいチャレンジリスク

 万一の漏水確認できる窓があったら良いのでは?

 ならば、風の影響を一番受ける窓が良いよね。

となった。ここまでは良いのですが・・・

 どうやって確認する?

 サッシ下をむき出しにする?

 それはボクは気にならないけど・・家人を説得する自信はない

 ケーシングと窓枠を取り外せたら・・それで良いのでは?

てな感じで考えがまとまってきたのです。

アメリカではスタンダードな窓木枠とケーシング

新築時はアメリカをメインにカナダからも輸入していたせいで、アメリカ的な納め方ができるケーシング材など細かい部材も輸入していました。

アメリカの家的な窓枠とケーシングの画像

北米から輸入していた頃の当社標準は写真のように、サッシ内側に木枠、そして装飾部材として壁にケーシングでの納めです。これは室内ドアも同じで同じケーシングで縁取られています。

アメリカのケーシングの持つ機能の秘密

現実に始めてアメリカの家を観た時に、これらの装飾に目を奪われます。

日本ではドア枠は板形状でしかないのに、アメリカは細かい装飾にここまで手を掛けるのか!

と。これは単なる無知な見方だったのだと、すぐに知ることになります。

ケーシングの役割はサッシ・ドア交換を容易にするクリアランス隠し

アメリカのホームセンターでは窓やドアも一般個人向けに売っています。窓・ドア交換なら一般の人でも交換しゃすくできるような納め方としてこのケーシングが機能を発揮するのです。例えば、ドア交換するとします。ドア両面に取り付けられているケーシングを片側だけ外すと、枠ごとドアを外すことができます。ホームセンターで同じサイズの枠付きのドアを購入し、枠付きのままそこにはめ込み垂直を木くさびで調整し固定したらケーシングを取り付けて塗装仕上げしてドア交換を終了!という流れです。

サッシ枠の取り外しとサッシ交換のイメージ

窓のケーシングと窓枠を外したら下の写真のイメージでしょうか。

アメリカ住宅的窓枠とケーシング 利用で取り外し可にの画像

ここで本題に戻ります(笑

もし、暴風雨で雨漏りしてるかどうかを確認したい時はこの写真のように、一体としたこのケーシングと枠を外して確認すれば良いよね、ということでこのようなしくみにしたのです。

目視確認しやすいようにしたサッシ下のスペース

通常サッシ下にはスペースはありませんが、それだと確認しにくいのでは?と考え、パッキンを挟みこみ隙間ができるようにしています。

高断熱樹脂サッシ直下温湿度測定 (1)の画像

実際これまでここで台風や暴風雨の際に確認してきましたが今までの所問題は発生していません。

 ※2年ほど前から、外部のコーキングを一切無くす施工に移行していますが、
  現在の施工法はこの場合とは異なり、

  ゴムシーリングで防水 + 3次防水で万一に備えた外部への水抜き構造

でドイツ並みのスペックとしていますのでご安心を。

最後に、動画がわかりやすいと思いますので、窓枠の取り外し動画を紹介して今日の締めとします。

ごめんなさい、もう一つ今日のフレーミング動画も。