「住宅はバランスが大事」とは私がよく言うことです。
大きな吹き抜けに大きな窓が配置されたすばらしくおしゃれな空間も、
冬になれば冷気流が足元を冷やし、いくら暖房しても寒い。
その上、窓は結露でびっしょり。
なんて別荘や保養所をたまに見かけたりすると、
春秋用の建物じゃないんだからさぁ・・
寒さ暑さを堪えてまで過ごすモダンなおしゃれな空間もあり?なの。。
と、ちょっとショックだったりする。
私も、寒くても「古民家で囲炉裏を囲んで暖をとる」
なんて風情なら嫌いじゃないけど、
それとはちょっと違うのでは?と疑問に思ってしまいます。
空間にはそれに見合った性能がある。
強度だってそう。
断熱性能なら、その部位毎の性能バランスが必要。
バランスを失い片手落ちになると、
他の部位にも影響を与えてしまうから、
バランスこそ私たちが気を遣わなければいけないことだろう
少なくても私はそう思っているんですけど、、、
いろんな考え方ありますから、
異論のある方は「それも一つの考えなんだ」と軽く流しといてください^^;
今日は、私たちが気を遣うもっと狭い範囲についてぺっこほど。
私たちが断熱サッシの選定を行う場合、
初期段階ではガラス性能&フレームの断熱性について検討します。
その後、大事なことがサッシ断面を観ることです。
サッシ断面を観ると、
そのサッシはどこを重視し、そのためにどのように配慮された
仕組み&素材になっているかがよ~くわかります^^
日本のサッシなら、各メーカーそれほど差はないですけど、
世界のサッシとなればピンからキリまでありますからね。
これまで何十社の窓を観てきたでしょうか。
その数は記憶してませんが、本当に違いがあり過ぎるくらいあるんです。
その上よく観ると、
構成パーツとその納まり&仕上がりから製造品質レベルまでわかるっていう
私的には結構楽しい作業なんです^^;
次の画像を観てください。

これは室内が20℃、屋外がー10℃の場合の
サッシ断面における温熱状態のシュミレーションです。
私だけかと思いますが、私はこの画像からドラマを感じてしまいます。
技術者と製造者が何度も話し合い、試作を繰り返し、何度も失敗し、
それでも諦めず、性能のバランスを創り上げていったんだろうなって。
これって、職人気質なこだわりであり芸術。
家づくりのこだわりってよく言いますが、
その前に、家を構成する部材一つ一つにも
それを創り上げる人たちにあるこういうこだわり。
そういことに思いを馳せてもらえたら・・・
それだけで、
こういうこだわりを持った職人たちは報われるんですよね。
きれいな温度分布ですね。
美しさがある製品は「いい」です。
アップル社のスティーブジョブス氏は回路の基板を見て
「美しくないから作り直して」
というダメ出しをするそうです。
見えない部分にも「美しさ」からの評価をしているわけです。
職人気質ですね。
hiroさん、基盤に美しさを求めるなんてすごいですね。
見えないところへの美しさのこだわり、
ちょっと考えさせられます。
突きつめると美しさに近づくってこともあるかもしれませんね。
>「住宅はバランスが大事」とは私がよく言うことです。
同感です。
住み心地を左右する性能でいえば、最後は、断熱、気密、換気、冷暖房の総合設計なのでしょうが、
断熱部分ではコストを踏まえたK値のばらつきが少ない家が大切だと思います。
いつも参考にさせていただいております。
ibookさん、共感いただいてうれしいです。
私たちが気を遣うのは断熱の厚みではなく、
むしろ局部的な取り合い部分だったりしますから。
私もいつでも勉強中です。
参考にしてられるなんて恐れ多いことですね^^;