高断熱の限界を超えた日

20年以上前、より高断熱化を進め充填断熱+外張り断熱でウレタンの総断熱厚175mm、

窓はアルミクラッド木製サッシのトリプルガラスでアルゴンガスに2Low-Eのスペックで建てた。
住んでみると、内部発生熱によるオーバーヒートが悩みとなり、岩手の気候にはオーバースペックではないかと考えるようになった数年間がある。

そんな時に北欧スウェーデンの無暖房住宅の視察の案内が業界紙に。

 そんなもん、家の中オーバーヒートで暑すぎて眠れないべに。

と、無知な私は思ったが、どうしても気になり参加することにした。



 こりゃ、すげえべ。

セミナー終了後に、極高断熱住宅でオーバーヒートさせないポイントを知ることになる。

 一つは、蓄熱量を持たせる構造仕上げ。

 もう一つは、ハイブリッドな24H換気システム。

通常換気と熱交換換気の切り替えができる換気システムがあるとは衝撃だった。
ハイブリッド換気に蓄熱・・・それならオーバーヒートは防げるべ、と納得。

そしてもう一つ、当時内部発生熱熱源となっていた照明を蛍光管にすると、
オーバーヒートは収まることがわかり、断熱に対する無知の壁をこのとき超えたような気がする。

まだまだ断熱化は必要だったのだ。

そこから無暖房の家シリーズへと繋がるわけだが・・・

今になって思うのは、この時の視察での最大の見つけものは現場だった。


このサッシ枠と壁の間からはみ出しているもの、

現場発泡ウレタンではない。
挟みこまれていて膨らんだ圧ではみ出している。

この時はわからないままだったが、その後ドイツでその意味を知ることができ、
当社の一部スペックで採用するようになるまで10年がかかってしまった。

将来の子供たちにツケを回さないために、

高断熱住宅から現場発泡ウレタンを無くす。

そんな決断は、そう遠いことではないのかもしれないなあ。

最後にこの時のおもしろいハプニングも。


時間になっても、走らない電車。
誰も騒ぐ人、声を上げる人もいない、中にも入れずみんなただ静かに外で待つのみ。

30分だったか1時間だったか忘れたけど、

 今日は運転士が来ないらしい。

とのアナウンスに、これまた誰も声を荒げることもなく当たり前のように、
バスへと移動したっけ。

こんなことも、発見の一つだったのかも(笑

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