日本とドイツの樹脂サッシの樹脂枠の耐久性等性能比較

当社住宅展示場でも完成住宅見学会場でも、私たちがお伝えしてたのは、ドレーキップ窓の開き方、フォールディングドアの開け方などに合わせサッシの持つ高い断熱性能のことでした。

日本とドイツの高断熱樹脂サッシ比較の画像

そこでアメリカでもドイツでも樹脂サッシの説明を受けた際、樹脂純度の話が出ていたことを思い出し、ちょっと調べてみることにしたのです。そこで樹脂純度ってこんなに大事なことだったのだと今頃かよって程に思い知らされてしまいましたので、その内容についてを共有できればと思います。

PVCの樹脂純度って・・なことから色々調べてみたことを簡単にまとめると、

PVC樹脂サッシ:基本材料特性について日本とドイツの違い

日独樹脂サッシ耐久性比較①基本材料特性の画像

樹脂サッシ枠表面を観ても違いがあることはずっと以前から認識していました。ドイツの樹脂サッシのほうがなぜかきれいなのですよ。それが樹脂純度なのかその他添加剤なのかはわかりませんが、このような違いがあるとなれば合点が行きます。

ドイツのPVC樹脂純度 90%以上

これはカラーサッシを作るカラー樹脂素材もそうで、ドイツでは樹脂枠基材の樹脂純度に合わせることでカラーサッシの耐久性も高められるのだと言います。

樹脂サッシの製品寿命

日本の樹脂サッシの寿命が20‐30年、対してドイツの樹脂サッシの寿命は40‐50年で、寿命差は20年ということになります。樹脂の違いだけで20年も違うなんてドイツ恐るべし!です。以前、オーストリアのエンジニアが「サッシ交換は40年位で考えるのが普通ではないかなあ」と教えてくれたことにも納得できるような気がします。

樹脂サッシの熱変形温度

ドイツの樹脂サッシは変形温度80℃以上ですが、日本の樹脂サッシは70‐75℃です。この温度から思い出したことがあります。以前四国の住宅展示場を観に行った時、そこの一つの展示場の黒色のトリプルガラスの樹脂サッシの高窓FIX下枠の中央部が下がっていたのです。原因は、半外付け、トリプルガラスの重み、黒色で熱吸収して柔くなった、この3点ではないかと自分なりに想定したのですが、のちに訊くところによると、黒色の樹脂サッシは歪むのは工務店仲間では定説なのだとか。

ドイツの樹脂サッシは、熱変形温度が80℃以上であり、その上ドイツの樹脂サッシは取付位置が内付けですから、日射の影響も小さいわけでその分耐久性的にも余裕を感じられますね。

PVC樹脂サッシの構造設計特性の日本とドイツ比較

日独樹脂サッシ耐久性比較②構造設計特性の画像

ここは断面競争とも言えるヨーロッパの窓の強みではないでしょうか。私がドイツの樹脂サッシの凄さを思い知らされたのはこの点が大きいですので。

樹脂サッシの断面構造:6層マルチチャンバー

チャンバーてのは、樹脂サッシ枠内に細かく分けられた空隙のこと。この層が多ければ多い程それだけ断熱性能が高いと判断できるのです。
ここでドイツの樹脂サッシの断面写真を観てください。

ドイツ樹脂サッシ断面:6層チャンバーの画像

樹脂サッシ外皮部の樹脂壁厚

ドイツの樹脂サッシは3mm以上に対し、日本の樹脂サッシは2.5‐2.8mm。これは全く意識したことはなかったのですが、そうなんだあ、、と改めて認識させられた項目です。そこでどれどれと厚さの違いが分かるかどうかはわかりませんが肉厚比較写真を。

ドイツと日本の樹脂サッシ肉厚比較の画像

白色がドイツの樹脂サッシで、ベージュが国産サッシです。0.2mmかどうかはわかりません。若干ドイツサッシの方が厚いと感じるのではないでしょうか。

樹脂サッシの補強材

これはドイツサッシは鉄心が入るのがスタンダード。日本の樹脂の場合は大きなサイズになった時に補強材として薄い鉄心は入るようです。この項目に関しては逆に理解してもらった方がよいかもしれません。

樹脂サッシの気密・水密性能を支えるガスケット

ガスケットの数は通常日本の樹脂サッシは内外の2カ所(一部製品で3カ所)、これがドイツの樹脂サッシは2カ所タイプもあるけれど、通常は内外2カ所と真ん中1カ所の計3カ所かと。ガスケット自体の素材にも違いがあるのはわかっていましたがこの項目については未だ勉強不足です。

樹脂サッシの品質管理:日本とドイツの違い

日独樹脂サッシ耐久性比較③品質管理比較の画像

PVC樹脂サッシ押出成形温度管理

ドイツが2度以内に対し、日本は5℃以内。温度管理が製品品質に関わるのであれば頷けるというものです。そのほかは製造法のことで門外なので省略します。

樹脂サッシの耐久性に関する日本とドイツの違い

日独樹脂サッシ耐久性比較④耐久性能比較の画像

樹脂サッシの耐用温度範囲

この耐用温度範囲は住宅を建設する地域によってはかなり重要な意味を持つようになります。ドイツの樹脂サッシは‐30℃~80℃、対して日本の樹脂サッシは‐20℃~70℃です。夏の日射が厳しい地域、冬の寒さが厳しいエリアではドイツの樹脂サッシの方が安心できそうです。

樹脂サッシの耐候性試験時間

ドイツの樹脂サッシの耐候性試験時間は、8000時間以上で、日本の試験時間4000時間の2倍です。

樹脂サッシの変形許容値

ドイツ0.5mmに対し、日本は1mm、やはりこれも2倍。

て、、 もう、わかりました!
ここまでで充分お腹がいっぱいです(笑

ここからはその他の比較表のみ。

日独樹脂サッシ耐久性比較⑤メンテナンス・コスト比較の画像

日独樹脂サッシ耐久性比較⑥環境性能比較の画像

これらの比較から、同じ樹脂サッシなのに、樹脂の純度や品質、そして求める耐久性が日本とドイツでは格段の違いがあることが分かりました。

それとどうやらアメリカの樹脂サッシもドイツに近い傾向を持っているようです。

今さらですけどね、(笑

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