これまでセミナーでしか使っていなかったドイツの基準について今日は紹介しますね。
ドイツのパッシブハウス基準と言えば、住宅の省エネ・断熱系に詳しい人なら知らない人はいないのではないかと思います。
正直、パッシブハウス基準の具体的な内容までは私は知りません。知りませんが、窓のこととなったら話は別。知らないなんて言っていられません(笑
これがドイツのパッシブハウスで提示されている窓の断熱性能の捉え方です。
サッシの断熱性能Uw、
そのUw値にサッシ取付後の窓周囲の熱損失ψInstall値を加えた窓の断熱性能Uw,installedが示されています。
上から下まですべて観てもらえるとわかると思いますが、どの断熱性能Uw値のサッシを使ったとしても、
サッシの断熱性能+0.05W(㎡・K)内に。
ということが分かるのではないでしょうか。
この資料を貰ったのは2015年かな。
正直、
なにこれ、ドイツはすげえなあ!
サッシの取付後の断熱性能まで提示されてるって・・
日本じゃ、誰も数値化していないどころか話題にもなっていないので、
ネットでも検索しようがないのに・・
でもこの時は既に、2012年の断熱調査の疑問から窓周囲にある熱損失ψinstallの存在は知っていたのでこの情報の重要さはすぐにわかりました。でももし窓周囲のヒートブリッジの存在の重要さを認識していなかったら・・
なんのこっちゃ!
と意味わからずスルーしてたかもしれません(笑
ドイツにはこんな立派な基準が存在してるのだからこの基準を目安にすればいいのはわかった。
わかっただけではどうにもなりません。
数値で示されている以上、自分たちの施工内容が数値化できなければなりません。
数値化できないとしてもヒートブリッジ対策は必要と考え試行錯誤するようになりましたが、それでもサーモカメラで撮った画像で違いを示すことくらいしかできませんでした。
やはり、効果を数値化できないと・・・
と悶々とした日々だけが続きましたが、ある日ふと、計測できるかもしれないと閃きます。
それが2020年でした。
その結果がどうであれ、やってみて考えるべ。
毎日とにかく計測するだけ。
当初は意味不明な結果ばかりで、
これ、意味あんのかなあ?
と思いながらも続けていると、不揃いな結果から切り口が。そのデータが見つかったことから計測方法を変更。そしてまた毎日計測してはデータが安定するまでまた変更。
その結果、ほぼ望んだデータが得られるようになったのです。
それでも試験機関ではないですからね、あくまで我流。
でもね、
少なくとも効果の違いだけは数値化できるようになったわけだから、私としては最低限の目標は達成したわけですよ(笑
このアイキャッチ画像を見て頂くだけでいいです。
パッシブ基準の窓周囲の熱損失量0.05(W/㎡・K)と比較すると、
トリプルガラス樹脂半外付けタイプでなんとドイツ基準の熱損失量の10倍。
当社のトリプルガラスドイツサッシ単なる内付けの場合で熱損失量は4倍。
ということだけはわかると思いますので。
日本では問題提起どころか話題にもなりませんが、ヨーロッパドイツでは当たり前なこと。
ということだけは知っておいても損はないはずです。
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・ドイツのサッシメーカ?の断面図を見ると、サッシ四方が断熱材に埋め込まれている図を見ました。サッシ外周部を内外断熱材に埋め込み・覆っているようです。
断面(横)で見て外断熱材天面部から深さ30~50mm程度埋め込まれ、30~50mm程度が天面から頭が出ている。Ψinstall 0.039~0.05W/(m K)(四方枠の計)
・重量物サッシを支える下地や躯体はその次の深部にあります。
据付下地などは専用材料でしょうか?カギはこの辺りにあるのでしょう。
(あくまで素人の考察です)
良く観てられますね、さすがです。
サッシを支えるのは躯体です。サッシを躯体からせり出させるための専用金具があり、サッシ外側凹凸に金具をかみ合わせておいて任意のせり出し寸法で躯体に取り付けられるしくみです。