岩手の高断熱住宅のための超高断熱な4層ガラス窓への妄想

窓周囲のヒートブリッジ対策施工も落ち着いてきたことだし、次なるステップへの妄想をより具体的にしておこうかと遊んでみました。

具体的であればあるほど妄想は実現しやすいらしいので(笑

折角の高断熱なトリプルガラスの樹脂サッシも一般施工で取付してしまうと、窓周囲にあるヒートブリッジ(ψinstall)により、サッシ取付後の窓の断熱性能はペアガラス並みになってしまうかもしれない。

トリプルガラスの高断熱サッシがペアガラス並みの性能に?

ということは以前投稿した通りです。

外張り断熱層をそのままドイツのようにサッシ枠まで伸ばせればいいのだけど、ドイツは外壁通気層を持たない湿式方式だからそれが容易にできるのですが・・コストを安くできるのは魅力です。但しだからと言って2次防水のことを考えると・・・どうしても私は湿式にはできないわけです。

窓周囲にあるヒートブリッジの存在に気付いてから悶々とし続けて10年、やっと行き着いたのが特許を取得した施工法になります。

窓周囲の対策は窓周囲の2次3次防水と併せて解決できた。こうなると次の段階へと思考が向かってしまうのは私の性なのかもしれません(笑

そこで、現状からこの先の妄想レベルまでをシュミレーションだけはして置こうかと。

岩手の超高断熱住宅のための高断熱4層ガラス窓へ

先ずはサッシ部のみを。

現在の高断熱住宅PXシリーズ

サッシ枠部断熱性能 Uf=0.61 w/㎡k
サッシ全体の断熱性能 Uw=0.77 (PXⅢ Uw=0.76)

サッシ枠全覆MAX Uf=0.46
サッシ全体の断熱性能 Uw=0.72      (PXⅢ Uw=0.71)

そしてここからが妄想レベル ステップ1

もし、

高断熱3層ガラス厚48mmタイプにすると

サッシ全体の断熱性能 Uw=0.63     (PXⅢ Uw=0.62)

高断熱の4層ガラスが実現できたとしたら・・・

サッシ全体の断熱性能 Uw=0.48     (PXⅢ Uw=0.47)

サッシ全体の断熱性能 Uw=0.44 も視野に入ってくる。

妄想ついでに、さらにレベル2まで妄想すると・・・

建具枠のない超高断熱樹脂枠タイプのサッシ

サッシ全体の断熱性能 Uw=0.41

とまあ、窓の断熱性能Uwは格段に向上するわけだけど、ここで4層ガラスのUw=0.44を得た時点で、あれ??ていうような疑問が。というのは、4層ガラスの断熱性能Ug=0.35、サッシ枠の断熱性能Uf=0.34での計算で窓全体のUw=0.44?て変な気分に。

そう来たかあ・・ 遂に姿を現したな(笑

サッシの断熱性能を左右する要素は3つ。

①サッシ枠の断熱性能
②ガラスの断熱性能
③ガラス端のガラススペーサー

①と②は面積で計算されるものですが、③は線状熱損失と言い線の長さで計算されるものです。
この③は線状の熱損失なので一般的なレベルだと殆ど気にかけるほどではありませんが、さすがに4層ガラスの断熱性能レベルとなると、樹脂の断熱スペーサーと言えどガラススペーサーの熱損失割合は見逃せない領域に入ってくるということになります。

そこで簡単に窓全体に占めるガラススペーサーの熱損失割合を確認すると、

なんと、22%に。

これは窓周囲に存在する線状熱損失(ψinstall)の影響を知らずに壁の断熱性能を上げ、サッシの断熱性能を上げて行った先に顕在化した窓周囲から熱漏れ。それと同じことを繰り返してしまうことになります。これだって樹脂ペアガラスを使っている断熱レベルなら気付けないで済むことかもしれませんけどね。

これらのことから、

もし、4層ガラスレベル相当の断熱性能の窓にするなら合わせてガラススペーサーも見直さないとバランスが悪い。

という結果に。

最後に、13年前の写真を。

ドイツで見た高断熱の4層ガラスサッシ

4層ガラスサッシ
これは4層ではありますが、基本性能は3層ガラスでその3層外側に日除けブラインド内臓タイプ。外側の一枚は風除けとしての機能みたいなものかな。

ドイツで見た超高断熱の4層ガラスサッシ

超高断熱4層ガラスサッシ
これが本物の超高断熱の4層ガラスサッシですよね。
サッシ枠のウレタン、高断熱なガラススペーサーとバランスがいい。

これが13年前ですよ。日本ではこの数年あとかな、やっとトリプルガラスをサッシメーカーが出してきたのは。

少なくともドイツは80年以上前には既にトリプルガラスは存在していましたからね。殆どの人が存在を知らなかったとは思いますが、日本ではトリプルガラスの木製サッシが存在し始めたのは40年位前でしょうか。

もし、このスパンで日本が出遅れるとすれば、日本に4層ガラスサッシが登場するのは30年後ってこと?になるのかな。

私とすればそれはちょっと悲しいかな。
4層ガラスにしないまでも、その存在を知ることが大事ではないかと思うのです。

ぺガラスが当たり前の時に、
トリプルガラスまでは要らないけど、トリプルガラスが存在するなら最低ペアガラスにはしたいよね。

トリプルガラスがあって、4層ガラスもあるなら、
4層ガラスは要らないけど、トリプルガラスは贅沢でも何でもなく最低必要なものだよね。

というように、人の判断基準の底上げができると思うのです。

できるできないは動いてみなければわからないことだけど、さすが30年後にはしたくないですね。
生きてる自信ないし(笑

遅くとも10年以内を目標にしたいところかな。

高断熱な窓系アクセスランキング

岩手の高断熱住宅は「窓選び」から「窓創り」へ

窓を輸入する際のヨーロッパと日本のギャップから窓のψとの出会いなど。

北欧の住宅に見た高断熱な窓スタイルまとめ
北欧フィンランドの住宅に見た多様な高断熱窓や窓スタイルを紹介。

岩手は高断熱トリプルガラスの外側が結露する?
秋以降、住宅の窓ガラス外側に結露することがある現象について。

北欧と岩手で、トリプルガラス以上の高断熱な二重窓
フィンランドでよく見る高断熱な二重窓と岩手での施工事例を。

ドレーキップ窓の便利な仕組み以上にスグれているポイント
ドイツから輸入しているドレーキップ窓のマニアックなスグレポイントを紹介。

ヨーロッパの窓から学ぶ
ヨーロッパで見た高断熱サッシの驚きのバリエーションなど。

人気のドレーキップ窓専用カーテン&スクリーン
当社取り扱いのドレーキップ窓専用オリジナルスクリーンの紹介。

住宅の雨だれ対策としての窓下水切りって。
ヨーロッパの住宅はなぜ何十年経っても美しいのか、そのポイントについて。

準防火でもトリプルガラスに格子を付ける方法

準防火地域でもトリプルガラスの断熱性能を損なわない窓格子のしくみを紹介。

リビングに便利な窓!ドレーキップなテラスドア
高気密・高断熱で打ち倒しのできるスライドするテラスドアを紹介。

住宅の気密性能C値より重要な窓周囲のヒートブリッジ対策
意外と知られていない、C値以上に重要かもしれない窓周囲の熱損失対策について

2 件のコメント

  • 親方の熱量がビシビシ1伝わってきました!あと10年は仕事の一線にいたいですね~!
    でも老害になるのはいやだし~笑う~

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です