ヨーロッパの窓から学ぶ

自分たちが採用しながらも、そのしくみを知らないでいることは多い。

塗り壁にも見た目だけでなく素材の違いからくる機能に差があったり
自然素材だから大丈夫!と単純に思っていたり、
完成品の窓の性能値は知っているけど、窓を構成する要素の性能の違いは知らない、

上っ面な部分しか知らないまま、受け売りでしか言えてない。
自分が知っていること以外は知らないので、私もその一員でしかない。
悲しいけど。

それまで知らなかったことを知る機会を得られるって幸せなことだったんだよなって、
今日現場に行った際、窓を眺めていて思い出した。

ヨーロッパの窓 (1)の画像

ヨーロッパの窓 (1)

7年程前にヨーロッパの窓メーカーを訪問した時のこと。

ヨーロッパの窓の構成素材の組み合わせの多さに圧倒される

それまでは木製サッシは木製サッシのメーカー、樹脂サッシは樹脂サッシのメーカーと
別なものと思っていたし、それぞれに訪問し実際に輸入してもいた。
ところがこの時の訪問先だった窓メーカーは、
樹脂サッシも木製サッシも扱っている上にアルミサッシまであったのだ。

上の写真の窓サンプルを見ただけでも、

たまげだなや!
窓だけでこんだけ種類があんのがよぉ・・

と圧倒された。

窓フレームが木製、樹脂、アルミ、3種類だけではない。
木製窓枠にも樹種や厚み、フレーム構造の違いがある。
同じように樹脂窓枠、アルミ枠も、木製枠と同じように目的によって細分化されている。

この違いにさらにガラスの違いが加わるのだ。
ガラスの違いは一枚、二枚、三枚の違い位しか思いつかないが、
2枚、3枚、それぞれに厚みの違いもある。

ここからさらに加わるのがガラススペーサーの種類。
ここで見ることができたガラススペーサーの種類だけでも4つ。

これら、枠・ガラス・ガラススペーサーの3要素の組み合わせを考えたら・・・
全ての組み合わせではないにしても、サンプル棚の数に納得。

それら組み合わせの説明を受けたあと、

おまえたちは、どんな窓が望みなんだ?

と聞かれ、

あらだづの住んでるどごはほんとに寒いのす。
だがら、いづばん暖がくて性能のたがい窓を探すてるのす。

と答えると、いくつかを棚から取り出し説明してくれた。

ヨーロッパの超高断熱な窓のしくみを学ぶ

ヨーロッパの窓 (2)の画像

ヨーロッパの窓 (2)

それなら、樹脂窓だったらこれがおススメだよ。

君たちはこれを見てわかるかい?
(この時の当社からのスタッフは4人)

ヨーロッパの窓の枠構造と4ガスケットは凄い!

おお、出たぜえ!このフレーム。

フレームは6層構造に加え、断熱材まで挿入されている。
こういう構造はドイツの見本市で見ていたので存在だけは知っていたが、
輸入したことはなかった。

断熱入りの窓フレームだば、似たようなのは見だごどあるべ。

そう答えると、

そうか、それはよかった。

じゃあ、ガスケットはわかるかい?

と来た。

ガスケット?? そりゃま、わがっけど・・・
それが何がつがうのすか?

と聞き返すと、

この窓を見てもらえば分かって貰えるだろうが、ガスケットが4カ所にあるだろ?

日本の窓には何カ所あるんだい?

そこでうちの現場監督の一人が、

2か所すか、ねえよなあ・・・

と答えると、このことを聞いた時から彼の話は勢いを増した。

ガスケットはこれまで二カ所あるのは普通だったが、
断熱性能の高い窓を求めるなら、これからは三カ所が普通になる。
そしてこの窓のように6層構造に断熱封入タイプだと4か所ないと、
ガスケット部分で窓の断熱性能が下がってしまうことになるだろ。

わかるかい?

な、なるほど・・
確かにフレームだけ断熱性能が上がったとしても、
弱い部分のガスケットの性能がそのままなら、
窓枠の中で性能差が広がるだけでバランスが悪いということか。

私たちが納得した表情を見せると、

もっと詳しく説明しよう。
こっちへきてくれ。

とミーテイングルームへと移動。
プロジェクターでスクリーンに映し彼のプレゼンが始まった。

ヨーロッパの窓(3)の画像

ヨーロッパの窓(3)

サンプルにはないが最新ではこういうのもあるんだ。

との一つのサンプル画像。

ヨーロッパの窓ガラスの断熱性能の捉えかた

ヨーロッパの窓(4)の画像

ヨーロッパの窓(4)

暖かい断熱性能の高い窓は、ガラスエッジの部分とエッジのスペーサーがポイントだよ。

との説明場面。

ガラスについては、私たちはトリプルガラスを考えていることを伝えると、
紙に書き説明してくれた。

ヨーロッパの窓(5)の画像

ヨーロッパの窓(5)

ガラスは3枚でも、ガラスとガラスの間に封入するガスの種類でも違う。

と説明があり、

それはわかる、わがるども・・・

ガラスとガラスの厚みのつがいどす、
アルゴンガス、クリプトンガスの性能のつがいは
どの程度つがってくるのすか?

と自分の疑問を投げかけて書き進めてくれた。

つまり、

トリプルガラスでアルゴンガスの場合で、

g+Ar12mm+g+Ar12mm+g  ガラスの断熱性能 Ug=0.7

g+Ar14mm+g+Ar14mm+g  ガラスの断熱性能 Ug=0.6

g+Ar16mm+g+Ar16mm+g  ガラスの断熱性能 Ug=0.5

簡単にこのように捉えたらいいとの説明に、

クリプトンガスの場合はどんな感ずに何のす?

と質問したら、

それは、各厚みでUg-0.1で考えればいいよ。
ただし、16mmの場合、省エネシュミレーションでは0.4は使えないから、
Ug=0.5のままで計算することになる。

とのことで、
ガラスとガラスのスペースの違いと性能の違いの捉え方を初めて知ることができた。
こういうシンプルな捉え方がわかって、ガラスの判断も容易になり、
これがこの時の一番の学びだった。

こののち、ガラスとガラスのスペースは18mmも出てきて、
現在、私が知る限り20mmまである。
実際はもっと厚いものがあるかもしれないが今のところ出会ったことはない。

機械的にシュミレーションせずに、
このように簡易な判断基準があるととても便利になるし、楽しくなる。
それって私だけかもしれない。
興味がない人にとってはどうでもいい話でしかないわけだから。

そんなこんなの経緯があり、
私たちが採用している窓にたどり着いているわけです^^

もし、来週末9月14・15日(土日)開催予定の見学会に来られるようでしたら、
今日の話を気にかけながら見てもらえたら嬉しいですね。

ヨーロッパの窓(6)の画像

ヨーロッパの窓(6)

窓ガラスの厚みとスペースをチェックしてみてください^^

ちなみに、見学会の住宅の窓ガラスのUg=0.5かな。

ヨーロッパの窓(7)の画像

ヨーロッパの窓(7)

そんなことを思い出したせいでしょうか、

リビングから空が見える♪

だけで、今日の私はテンション上がってしまいましたね。

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