今日は岩手の住宅屋としてぺっこマニアックなお話をします。
フェチな私がすることと言ったら・・・
断熱系の話か健康系の話しかないのです!(笑
今日は窓の断熱性能のことを^^;
先ずは2012年に遡ります。
冬になればサーモカメラを担いで候補の何軒かの家を調査して歩くのですが、
上の画像は2012年の冬、住宅の窓周囲の温度状態を再チェックしたものの一枚。
2011年冬、ドイツから輸入したサッシの断熱効果を検証目的で撮ったサーモ画像の
データを整理していた時のことです。
画像だけ見ているとどこの部位だとかよくわからないでいたのですが、
これは窓だな、ここは枠と建具の取り合いだな、一番弱いガラスエッジだな、とか、
見て行くうちに、
ここは窓枠だよなあ・・・
その左側は壁側だよなあ・・
? ? ?
サッシより冷えている?ようだけど・・・
壁?サッシ? だどもさあ、サッシの間違いかもしんねえべ。
てなことで、翌年の冬に再チェックすることにしたのが2012年。
壁の窓枠とサッシ枠との境が判りやすいように、
手形をつけその体温が残った状態で手形を目印にサーモカメラで撮ったのです。
構造側の壁がサッシ枠より結構冷やされていることがわかります。
正直、何年もサーモ画像を撮っていながらこの時気付いたのです。
なぜ、今まで気付かなかったのか、
振り返ってみると、
これまではサッシ枠性能が上の画像のサッシ程までに性能は高くなかった、
サッシと同じく壁側が冷やされていたとすれば、サッシの影響で同じく冷えている、
そのために温度差が出ず気付かなかったのではないか・・・。
ところが上の画像となれば話は違ってきます。
これじゃあ、サッシの性能をどんだけ上げたとしても、
窓の取付方法か変わらなければ、壁枠側の冷え方はほとんど変わらない。
これって、、、
世界中からどんな最高級な食材を集めたとしても、
その食材の栄養と旨みを出せていない料理と同じじゃねえべか。
良い食材にはそれにあった調理法があるべきださなあ、、
てなことで、ドイツなどを調べた結果ψinstallに行き着いたのです。
これは窓の取付方によって変わる性能のことで、日本で論じられることなんて殆どない。
さすがだよね、ドイツはじめ北欧やヨーロッパの国々は。
調べた結果、それなりに影響は大きそうだってことがわかり、
ならば私たちでできるなりの検証をしてみるべってことなり、
試し始めたのが実験棟です。

このグラフは今日時点の温度で当時のものではありませんけど・・・
緑の線が対策を施した実験棟の温度推移。
壁と窓の断熱性能は同じなのが赤色の点線。
すでに何年も経っているので、窓の取付性能対策だけの結果ではなく、
実際は大きく三つの要素の入った結果ですが、効果は大きいことは確認済みです。
さあ、効果のあることはわかった。
さあて、現実の現場ではどうすべ・・;
みんなでアイデアを出し合い一つ目の方法でのテストをし、
もっといい方法があるのではないかと、
工場のアイデアから2回目のテストへ。
結果は、
それほど思っていたほどの効果はないよなあ、、、
というものでした。
そして、2017年。
三度目のテストへ再チャレンジとなり、今年2018年の一月の検証結果が下の画像。

画像の赤い部分が指先で壁側、右側の青っぽい部分がサッシ枠です。
2012年の壁側が冷えているのとは違い、
むしろ壁側の方が若干だけど温度が高くなっているのがわかります。
簡単に並べてみると、

ビフォーアフターはこんな感じです。
現在、すべての住宅でこのようにできるわけではありません。
ですが、そのための足掛かりは掴めたと感じています。
この結果を基準点とし、もっと可能性を拓く調理法を考えればいい。
とはいうものの、ここまでに7年も掛かってしまってるって、、
のろま過ぎですよ・・ね。。
世界から見て、
岩手の住宅を変えたい!ことはまだまだたくさんあります。
ですが優先度を考えると・・・
今私たちにできることは、
少しでも住宅性能後進国日本の普通を、世界の普通にすること。
先ずはこのことに限るかなと^^
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