昨日は岩手県盛岡市にて一日フレーミング(一日上棟)を。
住宅地では珍しく隣家のスキをぬって岩手山が見える立地でした。
今日は一日フレーミングの昔話を。
東日本は夜明けが早い、陽が落ちるのも早い。できるだけ明るい時間作業を進めたいのでフレーミング日のスタッフは7時前に現場入りする。段取り終え組立スタートは平日7時半過ぎ。この時間ならご近所さんも起きてるでしょ想定で。今朝は1時間現場その後事務所朝礼に。現場が近いって何かと効率的。 pic.twitter.com/47rGA2IlXy
— oyakata (@ooyakata11) March 25, 2024
前工程として1階床だけ終わらせ、足場を組んだ後に一日フレーミングを迎えます。
基本一日だけの作業なので、一日フレーミングは天気予報から雨のない日を選び予定していますね。
このブログでも一日フレーミングというタイトルで投稿することが多いのですが、
何それ? それがどうしたの? 一日で建てるって大丈夫?
と感じてしまう方が多いのではないでしょうか。
当社は今では当たり前になっている一日フレーミングも既に30年。今の時代でも一日フレーミングってそう簡単なことではないようだけど、前例のない30年前ならもっと大変だったかと。当時の当たり前を変えるために当時うちのフレーミングスタッフに使った動画があります。門外不出の秘蔵動画でしたが、もう30年も経つし時効だろうと思い、初めて公開することにしました。
動画はビデオテープ時代のものなので画質も悪いです。あるあるな業界史的な過去の一面として観てもらえたらと思います。
また、もしかしたら一般の方業界問わず、一部の方にとっては不快な動画であるかもしれません。その際は30年前のこととご容赦頂けると嬉しいです。
私は素人ですけど業界の当たり前ていうの辞めませんか。で始まったパネル化は上棟まで3日も可に。更に一日でとなると、何で俺だずだけそんなに稼がねばなんねーの?との抵抗。自分の家だとしても当たり前だからいいの?と問い掛けた時の30年前の動画の一部。この光景を変えたくて一日上棟が始まった。 pic.twitter.com/Z2OCwemq4x
— oyakata (@ooyakata11) March 26, 2024
雨が降ったら雨に濡れるのは当たり前と言った私に、業界に日の浅いスタッフから投げかけられた一言がきっかけとなり、少しでも現場での作業日数を減らせれば雨に濡らすリスクは減らすことができるはずと住宅をパネル化することにしたのです。
当時の駆け出しレベルの工務店である当社にすれば、パネル化するための投資は身の丈以上無謀とも言える額だったにも関わらず、なぜそこまでしてしまったのか・・未だにわかりません。若気の至りということでしょうね(笑
でもまあそこから紆余曲折ありながらも住宅をパネル化したことで通常半月ほどかかっていた現場での作業が3日程までに大幅な短縮を実現します。
3日でもまだ濡らすリスクはある、やはり何とか一日でやり遂げたいと思い、スタッフに相談すると、
上記のような抵抗があります。
そりゃそうでしょう。ただでさえ、3日で俺たちはミングをやれるようになった。それをまた今度は一日でという私に、
こいつ(私)俺たちのことどんだけ稼がせようとしてんだべ。どんだけ儲けたいんだか?
とでも内心思っていたでしょうね(笑
そこで彼らの同意を得るべく、準備して次のミーティングに臨みます。
その準備したものが上の動画です。上の動画では辛辣過ぎる部分はカットしています。
ミーティングで動画を使っての彼等への問いかけに、
皆一様に嫌だと言い、功を奏すことができたようです。
問題はここからです。
彼らは自分たちが大変なだけ、会社は儲かるだけ、との考えを変えなければなりません。
そこで一日フレーミングを実現するために提示した条件が、
・一日フレーミングするためなら、工場での作業人工数・日数が増えても構わないこと。
・一日フレーミングするためなら、フレーミング時の作業スタッフ人員を倍になってもいいし3倍かかってもいいこと。
一日フレーミングは決して、作業日数、作業人員を少なくすることが目的ではないことを理解してもらい一日フレーミング実現へと進むことになったのです。
今じゃ壁パネルのサッシ据え付も増えた。
そこに窓周囲の防水下処理、窓周囲熱橋対策施工の下処理など細かいけれど重要な手間のかかる作業は増えている。
先日の続き。窓周囲防水と窓周囲熱橋対策のために行うサッシ取付前の地味な前処理作業を。これが一日フレーミング終えた現場へと引き継がれる。防水から排水へ、断熱は外張り断熱層へ、連続性に配慮した形で工場〜現場連携し一つとして完結する。 pic.twitter.com/nuCbFVDxWv
— oyakata (@ooyakata11) March 23, 2024
おそらくだけど、今後も工場で作業の役割は増えることはあっても減ることはないだろうと思う。
三層ガラスも国産の3㍉🇩🇪4㍉➕枠に肉厚鉄芯入り。何も知らずフォールディングドアを輸入してた頃、完成品をそのまま取付けるものと思い人員4人は必要だと。ところが枠と建具をばらせることを知り作業も2人いれば楽勝!重労働から解放された。ほんと知らないってムダが多い笑#フォールディングドア pic.twitter.com/sqlGoYjV9T
— oyakata (@ooyakata11) March 25, 2024
トリプルガラスの大きくて重い、本来なら重労働なフォールディングドアの取付も、工場だからこそ簡易に切り離し取付組み上げる術も今は持っている。
それこそ、1・2階通しデザインの窓なんて工場で壁パネルへのサッシ据え付けでなければきっとやっていなかったと思うしね。
このように雨に濡らさないためから、今では工場でパネル化しているからこその性能向上やデザインの自由度を拡げるための一日フレーミングとなっているかもしれません。
最後に、上棟作業を1日で終わらせることのメリットを簡単に整理してみます。
新築住宅の上棟作業とは、建物の骨組みを組み立て、屋根の構造を完成させる工程のことを指します。この工程を迅速に行うことで、以下のような利点が得られます。
1. 工期の短縮
迅速な完成: 上棟作業を一日で終えることにより、建築プロジェクト全体の工期を大幅に短縮できます。これにより、早期に入居できるようになるため、施主の満足度が高まります。
2. コスト削減
労働コストの削減: 労働時間が短縮されるため、人件費の削減につながります。 機材レンタル費用の削減: クレーンなどの重機が必要な場合、短期間で作業が完了することでレンタル費用を削減できます。
3. 品質の向上
集中的な作業: 一日で集中して作業を行うことで、作業の一貫性と品質が保たれやすくなります。また、作業の効率化により、ミスの発生率を低減できる可能性があります。
4. 天候への依存度の低減
天候リスクの軽減: 長期間にわたる作業では、雨や強風などの悪天候による遅延リスクが高まります。一日で上棟作業を完了させることで、天候による影響を最小限に抑えることができます。
5. 安全性の向上
事故リスクの低減: 工事期間が短いほど、工事現場での事故や怪我のリスクが低下します。特に、上棟作業は高所作業が伴うため、期間を短縮することは安全性の向上に直結します。
6. 環境への配慮
環境負荷の軽減: 工事期間の短縮は、騒音や粉塵などの環境への影響を減らすことにもつながります。地域住民への配慮としても、迅速な工事は好まれます。
7. プロジェクト管理の容易さ
スケジュール管理の容易さ: 工期が短縮されると、プロジェクト全体のスケジュール管理が容易になります。また、予期せぬ遅延が発生した場合の対応余地も増えるため、プロジェクトの成功率が向上します。
奇跡はここからはじまりました!
いつ見ても感激です!
それは大げさ過ぎますよ(笑