性能もデザインも、オーダーメイドなヨーロッパの窓

当社でトリプルガラスを初めて採用したのは30年近く前、アメリカから輸入したアルミクラッド木製サッシだった。しかもブラインド内臓タイプ。

その後さらに高い断熱性能を求めたらカナダのサッシメーカーに行き着き何軒か輸入した。
この時はLow-Eガラスとアルゴンガスは知っていても、ガラススペーサーという言葉さえ知らず採用していましたの事実です。日本でもそうだったから何の疑問も持たずに。

ヨーロッパからサッシを輸入するようになり、もっと断熱性能を高くすることはできないかと訊くと、新たなサッシ枠とガラススペーサーを提案されることに。

 アルミスペーサー以外のガラススペーサーがあるものなの?

 それにしても、ガラススペーサーだけで窓の性能がそんなに変わるわけ?ほんとかだべか?

するとメールで資料を送ってきてくれた。
その内容を観ると

ヨーロッパでのトリプルガラス断熱性能の捉え方

ヨーロッパはトリプルガラスの場合、ガラスの断熱性能Ugを

0.7、0.6、0.5、0.4 に分けて考えるようで、

例えばアルミのガラススペーサーの場合、
Ug0.6だとサッシ全体の断熱性能      Uw0.875
樹脂系のスペーサーに変えると、      Uw0.796
これをスイススペーサーにすると    Uw0.781

ガラススペーサーの選択次第でサッシ全体の断熱性能を最大10%以上アップできることを知ることに。

ヨーロッパ特にドイツの建築業界において、窓ガラスの断熱性を向上させるためにトリプルガラスが使用されるのはかなり以前から一般的だったようですが、日本でもここ10年程前から珍しくはなくなっています。しかし、日本とヨーロッパの違いはここからです。ガラスの枚数だけに留まりません。

トリプルガラスには2つのガラス板の間のガス層を保持するガラススペーサーの種類をヨーロッパでは選べるのです。その上目指す断熱性能に合わせてサッシ枠も選べ、ガラス間のガス層の厚さも選べるって凄くないですか。

ヨーロッパではサッシデザインもかなりバリエーションが可能だし、サッシサイズもミリ単位での注文が当たり前。注文住宅ならぬ注文サッシであり注文窓だったわけです。

もう一度そのほかの選択できるものも加えて日本ではできないことを整理してみると、

1. 窓サイズ、窓デザインをミリ単位で注文できる。(できるとは思うけど一般的ではない)

2.窓枠も断熱性能に合わせて選択できる。

3.窓色もアース色を中心にリアルな木目柄まで何十色の中から選択できる。

4.レバーハンドルなども選択できる。

5.ガラススペーサーの種類を選択できる、樹脂スペーサーより優れたものがいくつかある。

6.ガラス間のガス層の厚さを選択できる。(2ミリ単位で)

7.ガラス格子もデザインに好みのデザインに合わせられる。

8.窓周囲のヒートブリッジ対策施工レベルも注文できる。

ほかにもありそうですが、今思いつくのはこれくらいですね(笑

そんな経緯があって、現在に至っています。

高断熱サッシ断面

※※※ちなみに・・アルゴンガス層厚ですが、

ガラス間のアルゴンガス層の厚さはアメリカからぺガラスを輸入した当時からずっと16ミリが限界値なのだと思っていました。ところが数年前、すでにドイツなどではアルゴンガス層は20ミリタイプが一般化しつつあることを知り、日本でも何とかならないものかといろいろ調べましたが、量産では14ミリが主流でありそして16ミリが限界のようです。

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