欧米からの高断熱サッシ(トリプルガラス)輸入経験まとめ

アメリカのアルミクラッド木製サッシ
写真は30年程前、主にアメリカから直輸入していたサッシサンプル。

懐かしいサッシ画像が目に触れてしまったので、今日はサッシ輸入に関して長い経験だけはあるので簡単にまとめて置こうかと思います。
特徴・利点・欠点は主にAIさんからのものに、その下に経験からの私見を述べさせていただいています。

① 高断熱アルミサッシ + トリプルガラス

  • 特徴: 軽量で強度が高く、メンテナンスが容易。トリプルガラスを入れることで、アルミサッシの熱伝導率の高さを補い、高い断熱性と遮音性を実現できる。
  • 利点: 耐久性があり、さまざまな気候条件に適応しやすい。メンテナンスが少なくて済む。
  • 欠点: アルミニウムは熱伝導率が高いため、トリプルガラスを使用しても、木製や樹脂製のサッシに比べて断熱性が若干低い可能性がある。
  • 私見:一般にアルミフレーム自体で強度が取れることからアルミ+プラスチック通称アルプラのペアガラスレベルでは、岩手なら結露、最悪テラス戸タイプなら凍る経験もある。準防火で一度ドイツのアルミ枠でトリプルガラスにしたことがあるが、それは内外のアルミが中間の樹脂によって熱伝導を遮断している枠性能に優れたタイプだったから。

② 木製サッシ + トリプルガラス

ヨーロッパの高断熱木製サッシ (1)

  • 特徴: 自然な美しさと高い断熱性を持ち、トリプルガラスを使用することでさらに断熱性と遮音性が向上。
  • 利点: 優れた断熱性能と自然な外観。室内の温度を一定に保ちやすく快適な居住環境を提供。
  • 欠点: 定期的なメンテナンスが必要であり、湿気には脆弱。
  • 私見:木肌のやさしさは最大の魅力。回転窓、内開きにできるドレーキップ窓は室内からでもメンテナンスはしやすい。FIX窓の屋外側のメンテは施主さん自らとなれば厳しい。このタイプは初期国内商社経由、その後はより性能の高いサッシを求めて直輸入するようになる。写真右が輸入していた木製サッシの一つ。

③ アルミクラッド木製サッシ + トリプルガラス

ヨーロッパの高断熱アルミクラッド木製サッシ
ヨーロッパの3層ガラス+アルミ4層ガラス木製サッシ

  • 特徴: 木製サッシの外側をアルミニウムで覆ったもので、室内側は木製サッシの自然な美しさと断熱性に、アルミサッシの耐久性とメンテナンスの容易さを兼ね備える。
  • 利点: 高い断熱性と耐久性。木製の内側による温かみのある外観とアルミニウムの外側強度とメンテナンスのしやすさ。
  • 欠点: 価格が高くなる傾向。
  • 私見:当社が30年以上前にアメリカから直輸入し始めたタイプ(写真はヨーロッパのもの)。初期はペアガラスだった(写真冒頭)が、トリプルガラスの知りトリプルガラスタイプも輸入するようになる。アメリカのサッシはピンからキリまで存在する価格もそれなりでそれがアメリカでは当たり前なのだと学ばせてもらった。当時輸入したカナダのアルミクラッド木製サッシ価格はアメリカのものに比べ数段高いものだったが、「我が家はサッシでできているようなものだから」と冗談を言ってもらえるほど皆さん満足してくれたかと。但し、トリプルガラスであっても特にアメリカのサッシはレバーハンドル部で結露し、サッシ木部を腐食させたこともあり、トリプルで断熱性能に優れてはいるが金具部のスペック等未成熟さは当時の状況ではしょうがない点もあるかと思う。
    その後、ヨーロッパからこのタイプを2度輸入したことがあるが問題を感じたことはない。

④ アルミクラッド樹脂サッシ + トリプルガラス

  • 特徴: 樹脂サッシの外側をアルミニウムで覆ったもので、樹脂サッシの高い断熱性にアルミニウムの強度と耐候性をプラス。
  • 利点: 優れた断熱性と遮音性、そして耐久性。メンテナンスが容易で、さまざまな気候条件に適応しやすい。
  • 欠点: 木製サッシや樹脂単体のサッシに比べてコストが高くなる傾向にある。
  • 私見:このタイプだけはドイツ見本市で観ていながら使ったことがない。というより使いたいと思ったことがないからだと。

⑤ 樹脂サッシ + トリプルガラス
ヨーロッパの高断熱トリプルガラス樹脂サッシ

  • 特徴: 軽量で高い断熱性と遮音性を持ち、トリプルガラスの使用でこれらの性能がさらに強化されます
  • 利点: 樹脂サッシは自体が断熱性能に優れており、トリプルガラスと組み合わせることでその効果はさらに増大。冷暖房効率が向上しエネルギーコストの節約に貢献。メンテナンスも容易である。

  • 欠点:(私見+)樹脂は熱に弱く強度が低い傾向にあり、特に半外付けで窓性能を上げる(ガラス比率を上げる)ためにサッシ枠の見付けサイズを小さくした国産サッシにおいては窓幅が広くなるとトリプルガラスの重さでサッシ枠が垂れ下がることが散見されるようになり、もはや業者間では当たり前のこととなりつつある。

  • 私見:その点、ドイツの樹脂サッシは鉄心入りであり内付けなので下がる要素はないと言える。むしろ見つけ面積の幅を広げ窓周囲のヒートブリッジ対策と合わせサッシ枠の断熱瀬能をガラス並みに向上させ得るしくみとなっている点はさすがと言える。

 

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