ドイツ住宅レポート Ⅳ:この断熱は凄すぎる!

数年前にスェーデンに行ったことがある。
断熱構造とそのパネル化、木製サッシ、製材法などの視察がメインだった。
その時はスウェーデンの断熱レベルはさすがだと感心もした。でもそれは、日本との緯度や気候の違いを考慮すれば、比例して相応にも思えた。

ところがドイツでは、その違いに圧倒されてしまった。

ドイツ住宅の断熱の凄さに圧倒された

ここまでするかい!と本当に驚かされた。
私の断熱構造に対する認識レベルを超えていたのである。

それを見せ付けられたのがハイテクセンターという施設内にあるデモンストレーションセンターというところ。

ハイテクセンター

この施設である。
地下(一部吹き抜け)も入れると4層建て。
この施設内には、多種多様な断熱材素材や断熱構造がディスプレイされ、誰でも見ることができる。

再生可能な建築素材の研究も行われている施設でもある。
異素材の組み合わせの比較検討までも行われていて、私の興味をくすぐるエネルギー技術分野のほとんどを検証しているのだ。
(ソーラー発電・ヒーティング、クーリング、地熱利用冷暖房、蓄熱、木ペレなど)

断熱エコ

 

 

 

 

 

玄関を入ると左写真のディスプレイが。
麻、羊毛、ウール他の断熱材だ、

断熱性能比較

各断熱素材の性能比較を温度計(上部)で表示し解りやすくしている。

超断熱厚

この壁の断熱構造を見て下さい!!

手のサイズが20センチ。壁厚なんと50センチはあります。

誰だって驚くでしょっ!

この時の私は驚きと共に自分の無知に情けなくなり落ち込んでしまいました。

上から断熱壁これは上の写真とはまた別の断熱構造モデルなのですが、柱に I型の柱を使用しています。

 

外張り断熱層を持たない場合、構造部分のからの熱の損失を最小限に抑えることができます。

*ドイツでは外張り断熱層があるのが一般的。

セラミック断熱間仕切り壁

 

 

 

 

 

左は先に紹介したセラミック断熱材による断熱構造。
下の基礎部分に黒い断熱材が見えますが、発砲グラス断熱材。
基礎周りには腐食しない素材と有望です。

ドイツ住宅の蓄熱壁

右は間仕切り壁の一例。しっかり蓄熱構造です。

モニター画面断熱性能モニター!

 

 

 

室内には、こんなディスプレイが!?
カーソルで移動し、クリックしていくと各デモハウスの間取りや各部の構造図、設備図、エネルギー消費などの画面が選択できる。(左写真のデモハウスがセンターの外に建っている)

ドイツの断熱壁各部温度計測が凄い

そして計測マニアの私を感動させてくれたのが右画面が飛び出したとき。

断熱リアルタイム

その建物のどの部位、どの断熱構造のどの部分が何度になるのかが分かる。なんと現在の温度がリアルタイム表示。一年間毎にデータ保存されているそうな。。。泣きたくなるほど感激!

そしてもっとビックリしたのが、建物内に埋め込まれた温度他のセンサーの数。いくつだと思いますか?

ここでヒント画像を一枚!

センサーだらけ壁の場合のセンサーの取り付けサンプルです。

 

 

各層、各部にセンサーの配線だらけ。

答えは最後に。

床冷暖房地熱利用床冷暖房の構造サンプル。

 

 

見かけ的には私の興味はそそらなかったが、
私の好きな分野なのでワンショット。

温度を感知して開閉する窓         

自動開閉窓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この窓も必見!

私たちがこの施設内に入った時には閉じていました。
ところが、帰る時には開いていたのです。
この窓は室内の空気質センサー(温室度や二酸化炭素?)によりコンピューターが管理、自動で開閉されるシステムなのだそうだ。

ドイツでは省エネを最適化するためにコンピュータでのシステム管理が実際に行われ出していて、そのためのデータ蓄積も行われている。

さて日本は。。。

悩むと白髪が増えるので、今日はこの位ということで。

ドイツの報告も今で半ば近くでしょうか・・・
全部報告するには多すぎるので、あと2回?ほどで強制終了!します。

本音言うと少しドイツばかりで過食ぎみ* *

気が向いたときにでも載せて行こうと思います。

                       (答え:センサーの数600箇所でした)

ドイツ住宅レポート Ⅰ

ドイツ住宅レポート Ⅱ:パッシブハウス

ドイツ住宅レポート Ⅲ:エコハウスのヒント

ドイツの戸建て住宅の外観デザイン

ドイツのような家を建てる岩手の住宅メーカーならこちら。

4 件のコメント

  • どこかの週刊誌の見出しに,北欧か東欧の国に光熱費0(多分太陽光などの発電なしで)の断熱の家を設計している方がいるというものを見ましたが,ご存知でしょうか?

  • 親方さま、こんにちは。
    このレポートはいつも以上におもろかったです。
    断熱オタクな親方さまには堪らないセンターだったようで…(笑)。
    さすがドイツ人!まさにやる時は徹底的にやる民族ですね。
    理詰めでキッチリ積み上げる「思想」が感じられます。
    ぜひ日本でも(岩手でも)親方さまによる断熱オタク・センターを!

  • hiroさん、こんにちは。
    そのことは恥ずかしながら情報不足で知りません。
    太陽光発電ではないにしても電気をしているのであれば、
    何らかの発電方法はとっていること思います。
    自然利用であれば、バイオマス、風力、水力などでしょうか。
    燃料電池やコージェネと言われる電気と熱が得られる方法でも
    燃料であるガスやエタノールなりを購入しなければなりません。
    殆どの場合、光熱費ゼロと言うと費用についてです。
    エネルギーの購入がゼロではないのですから、当然売るエネルギーが
    あって相殺することでゼロにすることになります。
    ドイツでも風力を導入した場合は実現しているようです。
    なにせ売電単価は政策によって高いようですから。

  • たけさん、こんには。
    なんか見透かされてますね。
    断熱オタクセンター構想、いいですよね~
    体験宿泊!一泊するだけで温度とエネルギーの全てが分かる!なんてね。
    車の燃費予想のように、この設定温だとこの冬の消費エネルギーは・・・
    そして、暖房費は・・・とシュミレーションまでディスプレイに表示。
    家族が普段通りの暮らし方で一泊するだけで、年間の電気・給湯・暖冷房
    水道料金がコンピュータによってはじき出され、どのように住まえば
    どの位の節約になるのかまで分かる。ここに書いてるだけで夢心地です。
    ただ一つ問題が!そんなの創ったらディスプレイで。どこの部分が今
    何度だ!とかチェックしまくりで、その他の仕事しなさそうな
    自分が恐い。。。

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