無暖房住宅実証棟

暖房を必要としないレベルの超高断熱住宅を
スウェーデンの「無暖房住宅」が発信源となり、
業界的には「無暖房住宅」と呼んでいる。

超高断熱Q1シリーズの快適さを突き詰めていくと、
無暖房住宅が近くに見え出す領域がある。
大きく見えたはずの障害が薄くなりそして透けて見え出す感じ、というか。


その障害とは、オーバーヒートと壁厚。
オーバーヒート対策は機械換気と自然換気とEcoシリーズで。
やはり問題は壁厚
北欧で観たような壁厚となると、
設計プランの捉え方から変えざる負えなくなる。

もし同じようにするなら、日本のように構造の中心を抑える設計から
欧米のように室内の内法寸法(壁の内から内)に変えることになる、
そのことが自分の中ではひっかかりがあった。
これは社内的には大変な困難を要する。

以前日本の尺モジュールからフィートモジュールに変えた時期を思い出す。
この切り替えでさえプランから現場に落とし込むのに一年程費やした。
何とかこの負担は避けたい。

そこで窓を中心に壁以外の性能を上げ、壁の負担を小さくした。
壁厚自体は30センチ前後になるが、それでも設計上の負担は少ない。

そんな経緯で、わが家のオーバーヒートの経験や
これまでの検証データ、そして新たな素材の発見と。
そのお陰でQ1の延長線上に”Q極?の高断熱”の可能性を見出せたと思う。
当然まだまだこれから検証を進めると新たな発見?があるだろうけど。

いずれ、第一歩として実証棟が今週完成。
まだ完全とは言えないが、すでにデータを収集中。
測定ヶ所は10ポイント。
測定環境条件は8パターンを予定。
計測期間は最短でも一ヶ月近くかかる。

なので、一般に公開できるのは当初9月中旬くらいかなあ・・・
なんて軽く考えてましたが、下旬以降になりそう。

無暖房、そして無冷房で暮らす家。
私たち高断熱省エネ住宅を目指す住宅会社には
住まいのー高断熱化の最終章ーとも言える。

あ、ここで誤解がないように重要なお話を。

住宅の高断熱化の最終章とはいえ、省エネ住宅の終着点ではありません。
省エネ化を突き詰めれば、住宅の断熱は軽量化へと向かう。

言い換えれば、

<高断熱化の終着点=断熱軽量化のスタート地点>

私は省エネという視点で捉えるなら、
先ずは環境にも家計にも設備負担を無くすこと。

そして省エネ技術の進展は設備をかけることなく
断熱レベルを逆に下げていく段階に入るべきだと思っている。

そう、Q1で無冷暖房。
そして次世代レベルで無冷暖房に。
なんて、何時できるかわかりませんが^^;

振り返れば、これまでの快適さって設備によるところが大きい。
重設備による快適さや省エネだったような。
でもよく考えると、技術革新って軽量化でしょう。
はじめに設備の軽量化、そして断熱の軽量化。
住宅のサイズを極小になんてあり得ないですから。

何をいつまでにどれほどできるなんて予測もできない。

それでも私たちスタッフでできることを一つずつ、しかない。

そんな私たちですが、気を(首も?)長くして
見守ってくれたらうれしいです。

3 件のコメント

  • 住まいとエネルギーのフェスタを見てきました。
    ノボリないのは大正解!
    あの場所だけすっきりしていました。
    それにしても,いつもあのいい位置をキープするのは大変でしょう。
    また,アドバルーンは効果的。
    しかし,「無暖房住宅」の説明は綺麗にまとまりすぎていて,南下迫力不足。
    「暖房費が0円」とか「『ありえない』を可能にしました。暖房費のかからない家」とか,何かいやらしいコピーがないところが大共らしいといえばらしいのですが。
    セキスイハイムでは「光熱費ゼロハイム」とCMでさんざんアピールしているので,「太陽光発電でしょ!」と勘違いする人がいるような気がします。
    これに太陽光発電をつけたら,「住んでいるだけで儲かる家」「住宅ローンの返済をしてくれる家」になっちゃいます。

  • hiroさん、我がブースに足を運んでいただき
    ありがとうございました。
    まとまり過ぎだということは同感^^;
    正直、コピーに関してはずっと悩みっ放しだったんですが、
    結果インパクトのないままで打ち出してしまった次第。
    業者側の発想ってこういう時中々いいものって
    出てこないのですが、hiroさんのキャッチコピーは
    どれも的を射ていて楽しくなりますね^^

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