長男の壁

もし、自分が盛岡に家を建てるとしたら・・・
親になんて言うべぇ。
私は家を建てる以前からそんなことを時々考えていた。

田舎の家を出て、東京さ勉強に行ぎでえのさ。
と言い、親を説得するのはたやすい。
勉強なんか端からする気などないのに。。
本音はただ一度でいいから、テレビに映る日本の中心、
東京での生活を体験してみたかっただけ。

卒業を控え、東京に就職も内定。
岩手じゃ就職口もねえべがら数年こっちで修行すっからさ。
と母親に電話するも
「4年というやくそぐだったでねえが・・・」との電話越しの涙にあえなく撃沈。

結局、田舎に戻れないまでも盛岡に就職。
ここまでは親子間だけの問題だからさして大きな問題ではない。

そして所帯を持ち借家住まい。ここまでもまだ辛うじて許される?
ところが、さあ家を建てるぞ!と具体的な話になると、
こっからが田舎出の長男には一番の関所が待ち受けている。

たとえ、長男らしからぬ長男であろうと何十年という間
「お前は長男なんだから、家を守り親の面倒をみるんだべ」
といろんな場面でその責を刷り込まれている。

実家とは別に新たに家をかまえること。
このことを親に伝え、理解を得ることに
躊躇しない悩みもしない長男などいないのではないだろうか。

仕事、家庭、教育などその時点の現状を考えるなら・・・
それは自分も親もみんな頭の中ではわかっている。
借家住まいすることで微かな希望も残せてもいた。
家を建てると宣言するのは、
「田舎に戻る」その最後の僅かな希望を断ち切るに等しい、
最大にして最後の親不孝。

現在は歩けば長男長女に当たるほどの少子化時代。
団塊ジュニア世代の家づくりが既にスタートしている。

現在、土地も買い家を建てる人の半数ほどの人たちが
この関所を通り抜けなければならないのではなかろうか。。

住み馴れた田舎を離れようなど考えていない親にでも
きっと使わないかもしれない希望を繋ぐ場は
どんなカタチででも残しておきたい。

2 件のコメント

  • 私は次男ですけど、親との4年契約を破り
    岩手に住み着いた人間です。
    大学卒業後に北海道に帰っていたら、
    今頃は何をしていたんでしょうか。
    親方とは会っていなかったのは確かですね。

  • ほんとですね。
    アルボンさん北海道帰ってたら会えてません・・;
    ほんと帰らなくって良かったですよ!
    ありがとうございました。
    過去にたらればは通用しませんから、
    いつだって今がベスト今に感謝!します^^

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