住宅の外壁仕上げは輸入窓の奥深さと塗り壁の相性がいい

当社も10年ほど前までは、国産サイディングも塗り壁も両方採用していた。
20年以上前なら、塗装や吹付仕上げも多かったのだが・・・

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家の外壁は漆喰仕上げ(1)

外壁の漆喰仕上げ中の家

現在、当社が施工する住宅は輸入窓の比率は7割、外壁の塗り壁比率は9割を超えている。

家の外壁を塗り壁へ移行しするようになったのは、廃番事件がきっかけ。
築9年の家で仕上げ加工済みの窯業系サイディングが一部ダメージを受け、
その一枚だけを貼り替えようとしたところ・・・

ファックスには、要望の品番は”廃番”の文字が。

廃番? 廃番て・・・さぁ、、

無いってことだよね、何それ?

築9年だよね、それで廃番てどういうこと?嘘だべ!

結局、つぎはぎにはしたくないので
予想外の費用と手間をかけ、修繕したものの

なぜ、日本の家はこうなってしまったんだか・・・

それから悶々とした日がしばらく続くことになった。

日本の建築システムは、売りやすく、造りやすく、はいそれまでよ。
てことは知っていたけものの、さすがそれを目の当たりに体験してしまうと、
情けなくなるやらで、何やってんだ俺らって?・・・
みたいに自暴自棄におちてしまう。

ところで、築100年やそころは普通のアメリカやヨーロッパって・・・
どうだっけ?
・・・・

少なくとも、窯業系のサイディングは見たことがない。
塗り壁がとかが一般的だべ。そう、いつでも塗り替えが利くものだ。
そんなことから、できるだけ塗り壁にしようということになった。

おれは今まで何を見てたんだか・・・ほんと自分が情けない。

塗り壁もいろんな種類があり、それらをいろいろ使ってみたり、
漆喰仕上げを主とする外壁仕上げの同業者を、職人と一緒にベンチマーキングし、
その仕上げ工程や技術を学び、工夫しながら現在に至っている。

振り返ると、ここまでくるのに結構な年数が掛かっているもので、
何を変えて行くにも一朝一夕とはいかないものだなあと改めて思う。

家の外壁は漆喰仕上げ (2)

外壁の漆喰仕上げ完了した家

外壁は外壁の耐久性やメンテナンス性から選択されたものだったが、
窓については塗り壁と関連せず、
断熱性能を重視する観点からドイツ他ヨーロッパの窓を輸入していた。

その後、日本の窓は外壁より窓枠が外側は乱す外付け半外付けであるのに対し、
ヨーロッパの窓は外壁面より室内側に窓が納まるよう外壁が巻込む前提で、
窓枠でカットして終わりの日本の仕上げ済みサイディングは、
見た目も納まりもすっきりしない。

そこから、ドイツはじめヨーロッパの窓を使うなら、

やはり塗り壁だよ。

と、そこで塗り壁と輸入サッシの流れが合致したわけです。

ただ、外壁に漆喰等塗り壁を使うならヨーロッパの窓ということではありません。
外壁で一番耐久性が乏しいのがコーキングなので、
そこを紫外線ほか風雨に曝さないという点で国産サッシでも利点はあります。

家の外壁は漆喰仕上げ (3)

漆喰仕上げの外壁と奥まった窓

写真のドイツサッシは外壁面より15㎝程奥に取付けされている。
このように窓が外壁面より奥まった場合、

その利点は、

➀ヨーロッパの家のように外観・表情に深みが生まれること。

②普通の雨なら窓面が濡れず、ガラスが汚れにくい、窓が傷みにくい、
窓枠が出ず、下枠に大きく水切りを付けることで外壁も汚れにくくなる。

③三方枠庇効果で省エネ。

④窓を容易に交換できる施工となっている。

そしてメリットだけではなく、デメリットもある。

巻込む施工費が掛かり、塗り壁の仕上げ面積が増える。

そう、建築費という初期投資額はその分アップすることなる。

ですが、暮らし続けるためのコストは下がる。
省エネ+快適さに加え、メンテナンスコストがかからなくなるわけです。

簡単、早い、安い、では、
私の知るところ、築100年は望めないどころか、
住宅ローンの返済期間の35年も危うい、と思ってしまう。

今一度、なぜ、を考えてみてもいいかもしれません、
考えるだけなら損はないから。

なぜ、日本の家は寒いのか?

なぜ、日本の家の建て替えまでの寿命は30年ほどなのか。

なぜ、ヨーロッパの家の寿命は100年など当たり前なのか。

なぜ、ヨーロッパは窓の交換は40年くらいと考えるのか。

なぜ、その材料が使われるのか、

とまあ、わかった風に言っていますが、
私の人生なんて、
ずっとなぜの海原を彷徨っているみたいなものですが・・・(笑

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