一般的にサッシの断熱性能は高いに越したことはないと考える。
サッシのU値を比較して観ると、各社広告的には最高Uw値が先ず目に付くようになっていて、大概それはFIXと縦辷り窓のJIS規格サイスでのUw値だ。サッシ形状、開き、サイズが違えばサッシの断熱性能変わる。
サッシ毎に断熱性能を計算するのも大変なので平均値と見なしているというだけのこと。
例えば、個別に断熱シュミレーションした2つの窓がある。

一つは上の画像のような、
単窓の断熱シュミレーション
サイズ:800mm×1480mm
このサイズでのサッシの断熱性能Uw値=0.79
もう一つは、
単窓サイズ×3の3連窓の断熱シュミレーション
サイズ:2400×1480
このサイズでのサッシの断熱性能Uw値=0.81
単窓タイプの方が断熱性能は高い。
だったら、断熱性能の高い家にするなら単窓3つ並べた方が良いよね。
と、きっと多くの人がそう思うことでしょうね。
残念ながらそうはなりません。
窓周囲にある線状熱損失”ψinstall”を加味すると単窓3並びの方がサッシ居り付け後の断熱性能は低くなる。
単窓3つのサッシ外周長は、13.68m
3連窓のサッシ外周長は、7.76m
単窓×3と比べると3連窓の外周長は半分近い。
外周長が長くなればなるほど一般的な窓施工だと窓周囲からの熱損失量は多くなるのだから。
というわけで、
加味すべきものψinstallを含んだサッシ取付後の窓の断熱性能Uw,installedで観るのが正しい。
興味のある方は以下で確認してみてください^^
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是非サッシ外周部分の熱橋をドイツ基準を上回る性能となるように、材料開発や設置方法の最適化を目指していただきたいですね。
日本では親方以外に、「サッシ外周部の熱橋の研究者」は見当たらない気がしてなりません・・・。応援しています。
研究者は大げさですね(笑
でも応援ありがとうございます!
日本では大御所も言い難い環境もあるようなのでしょうがない部分はあるのでしょうね。
fenster ψinstallとか window psi installで検索すれば海外情報には行き着けるはずなのですが、
この問題を体験しないことには問題意識は生まれないのかもしれません。