超省エネ住宅と換気

岩手で住宅に高断熱・高気密化が謳われ20年ほど。
その間次世代省エネ基準という大きな目安も登場。
工法や施工法にあってはそれぞれの視点で改良され、
広い範囲ではあるけれどある程度の領域にあり。
遅かれ早かれ全体的なレベルは向上してきたような・・・

    

そして高気密化された住宅には欠かせなかった換気システム。
かなり以前なら「気密化してなぜ換気するの?」との
質問に答えることも多かったが、換気が義務付けられた今
そんな質問を受けることもなくなったのは少し寂しい気がする。

24時間換気システム導入への最初の動機、
それは高気密化による不衛生な空気の汚れを新鮮に、
というもの。

そこで当時考えたのは、省エネのための高気密なら、
換気システムは熱交換換気でなければおかしい。
そう思い高気密化と共に熱交換でやってきた。

しかし、しばらくして問題が発生。それはシックハウス問題だ。
熱交換には全熱交換方式と顕熱交換方式がある。
日本のメーカーにおける住宅用の換気方式は
ほとんど全熱交換方式だったこともあり当社も全熱交換。

それがシックハウス問題の浮上と共に義務化され、
換気はそれまでの高気密化に関る換気とは多少意味合いが変わってしまう。
換気は建材や家庭用品から放散される人体への有害物質を屋外へ
排出することが主な目的になった。

全熱交換は湿気の移動が伴なうもの。
この湿気の移動でVOC(有害物質)を再び室内に取り込む恐れが
あることを当時知る。このことに関する研究資料は見たことはないが
当然考えられることだ。

当時、情報もないし自ら検証する余裕もない。
それでも、まずは健康第一。
疑わしいなら全熱は採用を控えようという結論になり、
排気型換気システム採用へと変わることになる。

ところが、昨年から10年ぶりの更なる高断熱化への動きがスタート。
Q=1や無暖房の家では換気の熱損割合は大きな負担。
ここで健康面と省エネ両面で考えるならコストは高いが
顕熱交換しか選択はない。

今回この顕熱交換に加え、換気システムに求めたのが
換気動力のランニングコスト削減と
室温調節を行なうことの二つの機能。

熱交換が必要な時は年間8760時間のうち何割か。
温度保持環境では熱交換で、
外気温導入必要時は排気型、という仕組み。

そして、時間帯に合わせた風量調節と窓の換気機能が加わる。

とまあ、現在ここまでやっと辿りついたところ。。
残念ながら、現在の換気は温度のみの要素でしかありません。

これに湿度の要素が加われば・・・
省エネでより快適な環境になる!なんて欲張りすぎか。

さて、当社の岩手版超省エネ住宅の換気、どこまで目指そうか。。

  註:熱交換換気について
    ・顕熱交換は温度のみ交換の換気方式。吸気と排気の接点はない。

    ・全熱交換とは顕熱(空気温度)と潜熱(湿気が含むエネルギー)
    ともに交換する換気システム。湿気移動に伴う吸気と排気の接点あり。

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