高断熱化で見えない窓周囲でヒートブリッジによる結露も。

岩手県花巻市にて超高断熱住宅の1日フレーミング


今日の暑い中、新住宅展示場ではスタッフたちが準備作業、そして岩手県花巻では1日フレーミング作業が。
せっかくなので差し入れでもとクーラーボックス担いで寄ってみると・・

お、やってるやってる。

車を止めてまずは1枚。

無暖房の家シリーズ上棟 (1)

撮り終えると、いつの間に私に気付いたのかこっちに向かって大きく手を振ってる?

そして改めて写真を見るとその1枚に偶然にも写ってるではないですか。

ちゃめっけ

30℃超えの中、彼らのこの茶めっけにはほっこり気分になる。

中々の余裕です(笑

無暖房の家シリーズ上棟 (2) 無暖房の家シリーズ上棟 (3)

このパネルが屋根のラスト。
ラストのパネルを据え終わったら丁度お昼。みんなが下りてきて差し入れ&雑談少々で、私がここに居れたのは10分程度、、

こちらの家は当社最高の断熱スペック”無暖房の家”シリーズ。
窓周囲のシートでもわかるように、窓周囲ヒートブリッジ対策施工前の防水下処理もばっちり先行処理されています。

ここから金ヶ崎へ。
ところがです。フレーミングスタッフと違い、普段デスクワークの多いスタッフさんたちはぐったり感が背中に漂っていてとても写真を撮れるような雰囲気ではなく・・差し入れのみ(笑

事務所に戻ると早速、

ヒートブリッジ結露

結露吸い取り用タオルをチェック。

まだ夜までは大丈夫かなと。

ヒートブリッジ結露水

これは玄関前で今朝タオルを絞った時のもの。

 あっ、花っこにそのまま絞れば結露も有効利用になったのに・・

次からは有効利用せねばと反省(笑

窓周囲のヒートブリッジ施工の有無の違いの分かる比較ボックス

この比較ボックスはヒートブリッジ対策されない窓とヒートブリッジ対策施工された窓の温度差を比較するために試作段階でチェックし、その上で仕上げをしようと思っていたもの。なのに、ここまでしっかり結露が分かるって仕上げしないでこのままの方が良いのでは?と考えたから。

住宅には見える結露と見えない結露がある

住宅内で見える結露

と言えば代表的なのは窓の結露。これは見てそのままなので誰でもわかります。

住宅内では見えない結露

この代表例は壁体内結露と呼ばれる壁内部で発生する結露を言います。

住宅の壁内で発生する見えない結露はその通り見えないだけにやっかいで、中途半端な充填断熱が行われ出した40年位前~問題になったものです。現在は断熱施工をしっかりしているなら問題はないと思いますが・・・業者さん次第ではないでしょうか。

そして寒い冬とは逆に、冷房時に壁体内で起こる夏型結露というものがあり最近の業界紙でも取り上げていました。でもこれも気密断熱レベルの低さ故に起こるものです。

話を冬に戻しますが、見えない結露は壁だけに限らない、他にも・・・ここで拡げ過ぎると長くなるので
今日の核心の話のみでいうと、

見えない結露は窓周りでも起こり得る

ということです。

私が最初に、あれ?と疑問に思ったのは、

岩手でここまでできる住宅の超高断熱リフォーム

断熱リフォームのためにサッシ交換をした時のことです。

取り外した旧サッシは、LowEアルゴンガス入りぺガラスの樹脂サッシ。
交換作業時にきれいに立てかけられている外したサッシを見ていて、

!? 何で?

と思う現象があった。

そこで、

 あのさあ、ここにある何枚も立てかけられてる外したサッシの手前の方のサッシはどこから外したサッシなの?

作業しているうちのスタッフに訊いてみると、

 ああ、それは1階ですね。

という。

 そっかあ、1階かあ。でも何でかなあ。

薄っすらと、仮説立てるとしたら、

 もしかしたら・・・ 結露が原因?・・

その時はもやっとしたままここで終わったのです。

その後、住宅展示場も断熱強化しないと。
ということで工事を行ったのが3年前。

岩手のモデルとなる住宅展示場へ

当社の住宅展示場は20年前のスペックのままだったので、実際に建てていただいてる断熱とは乖離し過ぎてて意味をなさなくなっていたからですが、

この時取り外した旧サッシもLow-Eアルゴン入りペアガラスの樹脂サッシ。

その時外したサッシが、高断熱リフォームの際に外したサッシと同じようになっていたのです。

サッシ交換外した樹脂サッシ

サッシの取り付け耳(取り付けフィン)部が黒く汚れてるのです。
写ってないですが奥のサッシ耳は比較的きれいでした。

サッシ取付時には防水のためテーピングしているのですが、そのテープを剥がした際その粘着部分が付着して残るのかも?とも思いました。しかしきれいなものと黒く汚れたものがあるのは以前と同じ現象で、

こ、これは!?

と確認すると、窓枠周り木部で黒ずんでいる箇所があったのです。
ここで私の中では、見えないけれど微量な結露が発生しているのでは?という可能性が大きくなりました。
もしかしたら微量な雨水の侵入した可能性だってあり得ますが。

なんせ濡れている現状自体を見ることができないのですから断定はできません。

でも、このヒートブリッジ対策施工のある無し比較ボックスで、一般に行われている窓の施工法がこれだけサッシも壁側も結露してしまうのだから、住宅内外の温度差が大きくなればサッシ周囲の見えない部分で薄っすらとガラスが曇るように結露することはあるだろうとは思えるのです。

微量な水分なので普段は石膏ボードに吸い込まれ、ビニールクロス越しに気化し放散されているのではないか。その繰り返しレベルならいいけど、吸湿放湿のキャパを稀に超えることがあるとしたら・・

これまで窓周囲のヒートブリッジの熱損失量はどのくらいで、C値に換算したら、損失を加えるとトリプルガラスでもペアガラス並みに。等お伝えしていましたが、ヨーロッパでは当たり前のように窓のψinstallは語られるのに、なぜか住宅の高断熱化が進む日本では計算に入らないためか窓周囲のヒートブリッジについてはガラパゴス化しているのが不思議でなりません。

高断熱住宅の歴史が長いヨーロッパの住宅のように長く住み続けるために、

仮説を立ててそこにあるリスクを一つずつ減らしていく。

これしかないんだよね、私たちにできることって。

2 件のコメント

    • 実はあの笑顔は僕に向けられたのではなく、このブログを見てる奥様に向けられたものではないかと(笑

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